JA共済全労済は、どちらも日本を代表する共済ですね。どちらにするか、迷っています。

共済は、仕組み上は保険と異なります。しかし、消費者にとっては、ほぼ同じものと考えて、問題ありません。

共済も保険も、同じような不安を抱える人々からお金を集めて、お互いに助け合うという仕組みは同じです。

もちろん、それぞれ異なる部分も、少なくありません。とは言え、自動車保険を検討する人にとって、自動車共済はフツーに候補に加えられます。

その際に・・・

自動車共済を検討するときに意識して欲しいのは、4点です。

その1: 共済に入る前に、組合員になる必要がある

共済は、原則として、組合員やその家族を対象としています。よって、共済に入る前に、組合員になる手続きがあります。

組合によっては、組合員になる条件が厳しく決められています。しかし、JA共済を運営する農業協同組合(農協)や、全労済を運営する都道府県生活協同組合(生協)なら、簡単な条件はありますが、結論的には誰でも入れます。

JA共済の窓口になる農協と、全労済の窓口になる都道府県生協の加入条件を、下表にまとめました。

農協(JA共済)
  • 農業を営む人は、正組合員になれる。
  • 農業を営んでいない人は、准組合員になれる。准組合員は、組合の運営には関われないが、共済等のサービスを組合員と同等に利用できる。
都道府県生協(全労済) 住所がある都道府県の生活協同組合に加入できる。

生活協同組合には、上の都道府県生協以外にも、職域生協、学校生協、大学生協、医療生協など、いろいろ種類があります。ルールは、それぞれ異なります。

職域生協(職場の生協)を通して、全労済に入ることもできます。

その2: 出資金を支払う

組合に入るときに、1回だけ出資金を支払わなければなりません。入会金のようなものですが、やめるときには戻ります。

出資金の金額は、組合によって異なります。農協や都道府県生協でも、個々の生協によって異なります。

とは言え、金額は、数百〜数千円くらいの幅に収まります。

また、共済をやめるときに組合からも脱退すれば、出資金は戻ります。

その3: 専門用語に、保険とは違うものがある

JA共済『自動車共済クルマスター』や全労済『マイカー共済』の、全体の仕組みは、保険会社の自動車保険とほとんど同じです。

ただ、細かなところでの専門用語に、違いがあります。と言っても、混乱させられるような大きな違いはありません。

特に重要そうなものを、以下に抜き出しました。

共済の用語 自動車保険での意味
掛金または共済掛金 自動車保険の保険料と同じ。
保障(JA共済) 自動車保険での“保険”または“補償”と、同じ意味で使われる。
補償(全労済) 自動車保険での“保険”と、同じ意味で多用される。人身傷害保険→人身傷害補償とか。

いずれにしても、共済のパンフレット等には、“保険”という言葉がほぼ排除されています。

そのほとんどは、“保障”とか“補償”とか“共済”という言葉に置換えられています。

その4: 破綻したときに保護してくれる組織はない

損害保険会社が破綻すると、損害保険契約者保護機構が、自動車保険に加入していた人を保護してくれます。

自動車共済には、そのような保護制度はありません。万一加入していた共済や組合が破綻したら、債権者として補償を請求できますが、期待どおりになるとは限りません。

そのため、弱小な組合に入るのことは避けたいです。

JA共済と全労済の、歴史・組織・売上高を比較しました。どちらも、大きな金融機関という顔を持ちます。

JA共済は、巨大な金融機関にも匹敵する規模を誇ります。

他方の全労済は、JA共済には及ばないものの、中規模の金融機関に相当します。

JA共済 全労済
管轄官庁 農林水産省 厚生労働省
創業 1948年(昭和23年) 1957年(昭和32年)
従業員数 6382人 3503人
自動車共済新規件数 8,332,517件 126,000件
自動車共済売上 2847億 856億
総売上(受入共済掛金) 4兆5599億 5790億
ソルベンシー・マージン比率 1043.0% 1768.1%

共済は、損害保険会社と違って、生命共済(生命保険と同じもの)も販売しています。それどころか、保障以外の商品・サービスも取り扱っています。

自動車共済の売上高はJA共済が全労済の3倍強ですが、総売上高は8倍位あります。

JA共済の売上高は、自動車保険だけで見ると、大手損保(損保ジャパン、東京海上日動など)よりやや低いです。しかし、総売上高では、JA共済の方が1.5倍以上に大きいです。

JA共済は、日本を代表する巨大金融機関です。

全労済の売上高も、JA共済と比べなければ、十分に大きいです。ダイレクト(ネット通販)型首位のソニー損保よりやや低い程度です。

なお、以下のページで、JA共済と全労済について、個別に詳しくご案内しています。

JA共済と全労済の、自動車保険の補償内容は、どちらが優れていますか?

細かいところでJA共済が勝っているものの、優劣を決するほどの差は見当たりません。

まず、それぞれの自動車保険の補償内容を比較します。

品ぞろえの充実度を比べます。それが保険料に見合うかは、後ほどご説明します。

対人賠償 JA共済 全労済
JA共済は、相手が亡くなったときに臨時費用共済金として15万円が上乗せされる。
対物賠償 JA共済 全労済
対物賠償の補償内容に差はない。
人身傷害 JA共済 全労済
ともに、相手方との示談を待たずに保険金が出る。また、治療を受けたり、亡くなったときは、定額が上乗せされる。
車両保険 JA共済 全労済
JA共済には車両超過修理費用保障特約がある。全労済には新車買替特約がある。それぞれ一長一短。
ロードサービス JA共済 全労済
ロードサービス自体に差はなく、どちらも損保より薄い。ただし、JA共済の方は、車両諸費用保障特約を付けると、損保並みになる。
プラン作成の自由度 JA共済 全労済
全労済は、人身傷害の保険金額や車両保険の免責金額などで選択肢が少ない。
総合 JA共済 全労済
基本の機能に差はないものの、細かいところで、JA共済の方が優位。

自動車共済や自動車保険は、公共性の高い保障です。自賠責(強制加入)を補う役割を担っています。

そのため、この2つの共済に限らず、基本の機能に関して、商品による違いはほとんどありません。

とは言え、JA共済『自動車共済クルマスター』と全労済『マイカー共済』を比べると、細かい保障の充実度と、プラン作成の選択肢の広さで、JA共済の方が勝っています。

ただ、日常の足として車を使う分には、全労済の補償でも、十分に実用的です。

共済の事故対応については、客観的なデータが乏しいものの、両者の比較では、全労済の方が良好です。

補償やサービスに大きな差はなくても、それらの丁寧さとか迅速さとか親切さ、つまり品質に違いがあるかもしれません。

特に大切なのが、事故対応の品質です。

自動車共済では、事故が起こってから、共済が調査や示談交渉をおこなって、保険金額が決まり、支払われます。

そのスムーズさや迅速さに、共済の実力の差が出ます。

事故対応の評判を知るには、公正なアンケート調査と、苦情の発生状況が一番参考になります。以下にまとめました。

交通事故での当日初期対応 JA共済 全労済
JA共済は、平日休日とも、受付時間にかかわらず22時までは初期対応。全労済は、19時まで受け付けた分につき、21時まで当日初期対応。
日本生産性本部JCSI(日本版顧客満足度) JA共済 全労済
『JCSI(日本版顧客満足度)』によると、2018年度はともに圏外。2017年度はJA共済は圏外で、全労済は4位。
日経ビジネス アフターサービスランキング JA共済 全労済
『日経ビジネス アフターサービスランキング2014』によると、JA共済は15位、全労済は14位。ちなみに、2013年版でも全労済が上位でした。
総合 JA共済 全労済
どちらも、好評とは言いにくいが、特にJA共済には良い材料がない。

どちらも、事故対応のサービス内容は、ダイレクト(ネット通販)型損保に近いです。つまり、当日初期対応に時間制限があります。

共済は、加入・保全手続きが対面でできるので、代理店型損保に近いイメージです。しかし、事故対応の体制は、ダイレクト(ネット通販)型損保に近いようです。

日本生産性本部のJCSIランキングは

情報量の乏しさは難点ですが、自動車共済の口コミを知りたいときは、役に立ちます。

2018年度のランキングは、どちらの共済も圏外でした。ただし、2017年度のランキングでは、全労済が4位でした。

全労済は毎年中位付近を保っていて、ときどきランクインしています。他方、JA共済は常に圏外です。

よって、JCSI(日本版顧客満足度)ランキングは、全労済の勝ちとしました。

一方の、『日経ビジネス アフターサービスランキング』は

影響力が大きくなりすぎたので、現在は自主規制しているようです。そのため、少し古いランキングになります。

最終の2014年版ランキングでは、全労済14位、JA共済15位と、どちらもふるいませんでした。

ただし、JA共済は毎年このくらいが定位置だったのに対して、全労済は2013年は7位だったりと、好評だった年もあります。

というわけで、事故対応の品質については、全労済の方が、良い材料が多いです。というか・・・

JA共済の事故対応には、前向きな材料が見当たらず、おすすめしにくいです。

共済は安いイメージがあります。JA共済全労済とで、どちらが割安ですか?

若い人はJA共済が、中高年なら全労済が、割安な掛金(保険料)になります。

見積もりの条件をできるだけそろえて、6つのパターンで両者の掛金(保険料)を比較しました。

対人賠償と対物賠償などの基本補償に、人身傷害(車内のみ3000万円)を付加して見積もりました。掛金(保険料)は年額です。

JA共済 全労済
21歳(7等級) 75,550円 80,190円
26歳(7等級) 55,130円 59,100円
35歳(10等級) 36,840円 38,240円
45歳(14等級) 33,370円 31,100円
55歳(19等級) 29,460円 25,880円
65歳(20等級) 25,710円 23,750円

掛金の安い方の、背景色を薄いピンク色にしています。

比較した6パターンでは、3勝3敗の五分の結果になりました。

40歳あたりを境目にして、若い人はJA共済の方が安くなり、年齢が高くなると全労済の方が安くなっています。

どちらもダイレクト(ネット通販)型より高い傾向ですが、中高年なら全労済も割安です。

次に、JA共済と全労済の掛金(保険料)が、損保会社の自動車保険と比べて高いのか安いのかを、調べました。

代理店型より安く、ダイレクト(ネット通販)型より高い

見積もりの条件や比較のパターンは上と同じです。

ただし、2つの共済の他に、代理店型とダイレクト(ネット通販)型の保険料平均を加えて、グラフにしました。

JA共済と全労済の掛金を、自動車保険の保険料と比較したグラフ

あらためてJA共済と全労済の掛金を比べると、40歳前までは、JA共済の方が安いですが、その差は小さいです。このくらいの差だと、見積もり条件を変えたら逆転するかもしれません。

40歳から後は、全労済の方が安くなっています。この方は、あきらかな差があります。

また、JA共済と全労済とも、代理店型自動車保険(損保ジャパン、東京海上日動など)よりは確実に安くなっています。

ダイレクト(ネット通販)型自動車保険(ソニー損保、アクサダイレクト、セゾン自動車火災など)と比べると、全体傾向では、2つの共済の方が高いです。

共済は、加入・更新・保全・請求の諸手続きを対面でおこなうことができ、その分はダイレクト(ネット通販)型より手厚いです。

そうした対面サービスに付加価値を感じるかは人によるでしょうが、共済の方が少しくらい高いのことは納得できます。

中高年に魅力的な全労済『マイカー共済』

ただし、50代になると全労済の掛金は、ダイレクト(ネット通販)型の平均とほぼ重なっています。

40代でも、平均より高いダイレクト(ネット通販)型とは勝負できそうです。

また、ここでは、車両補償(車両保険)なし条件で見積もりしています。車両補償の保険料は高いので、これを付加したら、車種・保険金額・特約によっては、優劣が逆転するかもしれません。

割安な補償をお考えの中高年の人たちにとって、全労済『マイカー共済』は、選択肢の一つに入ってきそうです。

JA共済、全労済といっしょに検討した方が良い自動車保険はありますか?

オススメは、保険料が安くて事故対応が好評のダイレクト(ネット通販)型です。

農業協同組合のさまざまなサービスを、日常的に利用している方たちにとっては、JA共済の自動車共済『クルマスター』にメリットがあります。

しばしば訪問する農協の窓口で手続きできるのは、便利でしょう。しかし・・・

純粋に補償として評価すると、JA共済の自動車共済『クルマスター』は微妙です。

補償内容はなかなか充実していますが、掛金はそこまで安くはありません。それと、事故対応の品質に不安を感じます。

全労済『マイカー共済』は、ダイレクト型自動車保険と競合

一方の、全労済『マイカー共済』は、補償内容はやや薄いですが、日常の足として使う車の保険としては、十分に通用します。

そして、中高年に限られますが、掛金(保険料)の安さでは、ダイレクト(ネット通販)型自動車保険と、勝負できます。

ダイレクト(ネット通販)型と比べたときの、『マイカー共済』の強みは、生協などの対面のサービスを受けられる点です。

なお、事故対応をおこなうのは、生協の窓口ではなく、共済本体(または、そこから委託された損害調査会社)なので、対面のサービスがあっても、事故対応が良いとは限りません。

事故対応の評判が良くて、保険料が割安なダイレクト(ネット通販)型

全労済『マイカー共済』と比較していただきたいダイレクト(ネット通販)型自動車保険として、以下をおすすめします。

  • イーデザイン損保(東京海上日動の系列)
  • ソニー損保
  • チューリッヒ保険『ネット専用自動車保険』

他にも魅力的な商品はありますが、ダイレクト(ネット通販)型自動車保険の初心者の方に、特におすすめの自動車保険です。

イーデザイン損保は

日本を代表する大手損保、東京海上日動系列のダイレクト(ネット通販)型損保です。

100%近い大株主ですし、役員を初めとして、人材交流も密接です。

実質的に、イーデザイン損保は東京海上グループのダイレクト型損保部門という位置づけです。

初めての損保会社であっても、安心感があります。

そして、事故対応品質の点では、大手損保並みの評価を受けています。

口コミ・ランキングの印象からすると、全労済より高い品質を期待できそうです。

なお、イーデザイン損保の保険料は、ダイレクト(ネット通販)型の平均と同じか、少し安くなります。

全労済とどちらが安くなるかは、実際に見積もりしないとわかりません。

ソニー損保は

言うまでもなくソニーグループの損保会社です。そして、ここ数年ダイレクト型の売上高トップを独走しています。

知名度が高いこともありますが、最大の魅力は、代理店型を含めた中で、業界トップクラスとされる事故対応品質でしょう。

ただし、ソニー損保の保険料は、ダイレクト(ネット通販)型の平均より高くなります。

ということは、全労済『マイカー共済』より安くなるとは限りません。

チューリッヒ保険は

『スーパー自動車保険』と『ネット専用自動車保険』の、2つの一般家庭向け商品を販売しています。

テレビ、新聞、ネットで盛んに宣伝しているのは、充実仕様の『スーパー自動車保険』の方です。

『ネット専用自動車保険』はその廉価版ですが、標準的な補償・サービスは一通りそろっています。

そして、保険料は業界最安値レベルです。

ただし、『ネット専用自動車保険』には、取り扱い上の制限がいくつか設けられています。

たとえば、保険料払込は年払いだけとか、10代や70代以上は加入できないとか・・・

チューリッヒ保険の事故対応品質は、概ね好評です。

大手損保並みの評判を数年続けて獲得しており、安心できます。

詳しくは、チューリッヒ保険の2つの自動車保険を比較をご覧ください。

主な自動車保険の補償内容と保険料を比較するなら、一括見積りサービスがおすすめです。

近年では、全労済でも損保各社でも、ホームページで使いやすい見積もり機能が提供されています。見積もりを集めるだけなら、時間をかければできそうです。

ただし、見積もりを比較するためには、全商品の見積もり条件をそろえなければなりません。これがやっかいです。

異なる商品の条件をそろえるには、それぞれの商品の特徴や独特の言葉遣いを理解できている必要があります。

何度か見積もりを作り直したあげくに、それでもちゃんとできているか自信を持てない、となりがちです。

その対策として、おそらくもっとも有効なのが、無料の一括見積サービスです。

1回(=1社分)だけ必要事項を入力すると、主な自動車保険の見積もりが、自動的に手元にそろいます。

入力の手間を省けるうえに、入力した内容をもとにすべての見積もりが作成されます。

全労済『マイカー共済』の見積もりも、いっしょに作れます!

自動車保険の無料一括見積りサービスはいくつかありますが、以下の理由で、こちらのサービスをおすすめします。

  • 1回入力すれば、複数の気になる自動車保険の見積りが、一気に作成されます。
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  • 『保険見直し本舗』(全国300店舗以上)を展開する株式会社ウェブクルーによるサービスなので、安心感がある。
  • サイトの利用はもちろん無料。
  • サイトは使いやすく、各損害保険会社とのつながりはスムーズ。

自動車保険サイトの1社分の情報を入力すると、おもな自動車保険の保険料が図のように一覧表示されます。

その後、個々の自動車保険のホームページに移動して、さらに条件を変えて、試算をやり直すこともできます。

このサイトの利用者を対象としたアンケート調査によると、月々の保険料が平均して約25,000円安くなったそうです。

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