JA共済とその自動車共済について教えてください!

JA共済の自動車共済は、損保会社の自動車保険と競合します。

自動車共済には、損保会社が販売する自動車保険と似たものと、独自の仕組みを持つものとがあります。

JA共済の自動車共済『クルマスター』は、仕組みや補償内容などが自動車保険と共通しています。

ですので、JA共済の自動車共済を検討対象に加えることに、問題はありません

このページでは、JA共済の自動車共済について、以下のことをご案内しています。

JA共済の自動車共済に入れるのは、どんな人ですか?

入り方に違いはありますが、どなたでもJA共済に入れます。

JA共済に入るには、JA(農協)の組合員でなければなりません。

農業関係者は、出資金を払って(1回のみ)、所定の手続きを経て組合員(=正組合員)になります。

農業関係者以外がサービスを利用するには、次の2つの方法があります。

  • 准組合員(組合員と同等の立場)
  • 員外利用(組合員とならずに、サービスを利用する)

要するに、農業関係者の方々はもちろんですが、それ以外の方々もJA共済の自動車共済に入れます。

JA共済とはどんな組織なのですか?

JA共済は、国内最大の共済で、国内有数の保険会社でもあります。

JA共済は、国内有数の金融機関であり、保険会社です。

損保商品もと生保商品も販売している

JA共済の、個人向け商品のラインナップを見ると、下のようになっています。

保険のジャンル JA共済の商品名
生命保険
  • 終身共済
  • 養老生命共済
  • こども共済(学資)
  • ライフロード(年金)
  • 引受基準緩和型終身共済
  • 一時払終身共済
  • 一時払介護共済
  • 定期生命共済
損害保険
  • むてき共済(建物更生共済)
  • 団体建物火災共済
  • 火災共済
  • 自動車共済
  • 自賠責共済
医療・介護保険
  • 医療共済
  • がん共済
  • 介護共済
  • 引受基準緩和型医療共済
  • 傷害共済

JA共済は、損保会社と生保会社の、両方の機能を持っています。

JA共済の売上は巨大

JA共済の売上規模を、損保業界のトップ4と比較しました。2021年3月末の売上高を比べました。

線の長さが売上高を表しています。ちなみに、JA共済の売上高は4兆6203億円でした。

JA共済 あいおいニッセイ同和 損保ジャパン 東京海上日動 三井住友海上

JA共済の売上高は、損保ジャパンと東京海上日動を合わせたより大きいです。

自動車共済の売上は、そんなに大きくない

自動車共済に限ると、その売上高は大手損保より劣ります。

下図は、それぞれの自動車共済または自動車保険の売上高をイメージ化したものです。

JA共済の売上高は2680億円でした。

JA共済 あいおいニッセイ同和 損保ジャパン 東京海上日動 三井住友海上

JA共済の補償内容の特徴を教えてください。

特約が数多く用意され、手厚い補償が可能になっています。

JA共済の自動車共済は『クルマスター』という愛称で販売されています。

基本的な仕組みや補償内容は、損保会社の自動車保険と同等です。

そして、自動車保険の基本的な仕組みや補償内容は業界内で統一されています。

商品による違いがあるのは、基本の補償を強化するための補償・サービスです。

下表は、JA共済の自動車共済の補償・サービスです。※印は自動付帯で、赤文字が独自性の強いものです。

事故の相手への賠償
  • 対人賠償(臨時費用共済金含む)
  • 対物賠償(対物超過修理費用含む)
  • 日常生活賠償責任特約
こちらの死傷の補償
  • 人身傷害保障
  • 傷害定額給付保障
車の補償
  • 車両保障
  • 車両諸費用保障特約
  • 地震等車両全損時給付特約
  • 車両超過修理費用保障特約
  • 車両新価保障特約
その他
  • 弁護士費用保障特約
  • 季節農業用自動車保障特約
  • ロードサービス
  • レッカーサービス
  • 夜間休日現場急行サービス
  • 夜間休日初期対応サービス
  • 休日契約者面談サービス

細かなところでJA共済らしい工夫はあるものの、重要なところは自動車保険と共通しています。

自動車保険選びの選択肢に『クルマスター』を加えても、補償面では問題ありません。

共済特有の言葉の使い方に御注意ください。そこまで特殊ではありませんが・・・

自動車共済と自動車保険とで、言葉づかいに違いがあります。

共済の用語 保険の用語
共済金額 保険金額
共済掛金 保険料
共済期間 保険期間
被共済者 被保険者
保障 補償または保険
傷害定額給付 搭乗者傷害保険

JA共済のパンフレットに“保険”という言葉は登場しません。“共済”または“保障”のいずれかに置き換えられています。

なお、"ほしょう"という言葉は、損保会社が使うときは"補償"ですが、JA共済では"保障"です。もっとも、同じ意味で使われているので、気にする必要はありません。

自動車保険との間で移行すると、等級を引き継ぐことができます。

JA共済の自動車共済が、一般の自動車保険と共通の仕組みをとっていることには、2つのメリットがあります。

  • 実質的に国内標準である、自動車保険と同レベルの補償を受けられるという安心感。
  • 自動車保険と自動車共済との間で乗り換えるとき、等級を引き継ぐことができる。

自動車保険・共済の等級は、保険料の金額に大きな影響を与えます。

等級引き継ぎり仕組み

たとえば自動車保険に加入している10等級の人が、自動車共済に乗り換えると、11等級からスタートできます。11等級だと、新規加入と比べて割引が40%も大きくなります。

等級引き継ぎできないと、他社では新規加入扱い、つまり6等級スタートになってしまい、保険料は大幅に高くなります。

損保会社の自動車保険の間では、等級引き継ぎできるのは常識です。

自動車共済の中には、等級引き継ぎできるものと、できないものとがあります。

等級引き継ぎできないと、将来の選択肢がせばまってしまいます。

JA共済の事故対応の評判は?

客観的な情報源は乏しいですが、JA共済の事故対応は期待薄です。

事故対応の品質を客観的に判断するのは難しく、マーケティング調査会社の顧客満足度調査などが頼りになります。

しかし、自動車保険に比べて、参考にできそうな調査結果は少ないです。かろうじて見つかったのが日本生産性本部JCSI(日本版顧客満足度)です。

日本生産性本部JCSI(日本版顧客満足度)ロゴ

この調査では毎年共済を含めて10社ほどがノミネートされ、5位までが公表されます。

過去5年間のランキングをチェックしましたが、JA共済の名前は1度も登場していません

情報不足なので断定はできないけれど、期待しにくい・・・ということですね。

共済は、掛金(保険料)が安いというイメージがあります。JA共済は、どのくらい安いですか?

代理店型自動車保険よりあきらかに安く、ダイレクト(ネット通販)型自動車保険よりやや高い。

6パターンの年齢と等級の組み合わせで、代理店型自動車保険、ダイレクト(ネット通販)型自動車保険の保険料と比較したのが、下のグラフです。

JA共済の自動車共済の共済掛金(保険料)

代理店型自動車保険より、ダイレクト型自動車保険に近い料金設定です。保険料が高めのダイレクト型と同じくらいの水準です。

対面の窓口があるので、コストパフォーマンスが高いです。

JA共済では、JAの窓口で保険担当者から対面サポートを受けることができます。サービス体制は代理店型自動車保険に近いです。

その意味で、JA共済の共済掛金(保険料)は、とてもコストパフォーマンスが高いです。

上の事故対応の評判を考えると、JA窓口のサポート力が損保代理店と同レベルに達しているかは・・・微妙です。

JA共済の自動車共済の、総合的なおすすめ度は?

リーズナブルな代理店型自動車保険としては、お勧めできます。

★★★★が満点。★★は、他に魅力があるなら許せるかもしれないレベル。は、おすすめできないレベル。

補償の充実度 ★★★
保険料の安さ ★★★★
事故対応の評判
総合 ★★★

「保険料の安さ」は、代理店型自動車保険としての判定です。

また、「事故対応の評判」は判断材料不足ですが、客観性のある良い評価が見つからない以上、お勧めするわけにはいきません。

「総合」は、星2つにするか3つにするか迷うところですが、他社商品にはない付加価値があるので、星3つとします。

対面サポートを受けたいが、できるだけ掛金を安くしたい、というニーズをお持ちの方々には向いています。

JA共済といっしょに検討した方が良い自動車保険・共済はありますか?

JA共済と一緒に検討するなら、こちらの4商品をお勧めします。

代理店型自動車保険は、JA共済の自動車共済よりかなり高くなるので、お勧めしにくいです。

そこで、事故対応の評判が良いダイレクト(ネット通販)型自動車保険と、別の自動車共済をご提案します。

イーデザイン損保 セゾン自動車火災『おとなの自動車保険』 ソニー損保 こくみん共済coop『マイカー共済』

お勧めする4商品は、どれも事故対応の評判ではJA共済より上です。

掛金(保険料)は、JA共済と同じくらいか、もっと安くなります。

以下で、それぞれについて補足説明します。

イーデザイン損保

国内最大手の東京海上日動系列のダイレクト損保が、イーデザイン損保です。

定評ある東京海上グループのサービスネットワークを利用できる、という強みがあります。事故対応の評判は良好です。

保険料は、ダイレクト(ネット通販)型の平均に近い水準で、ほとんどの見積もり条件で、JA共済より安くなるでしょう。

セゾン自動車火災

国内2位の大手損保、損保ジャパン系列のダイレクト損保が、セゾン自動車火災です。

同社の主力商品は『おとなの自動車保険』です。

保険料はクセのある料金体系で、10〜20代はJA共済より高くなります。

30代以降になると、ダイレクト型の平均に近くなり、JA共済より安くなる可能性大です。

ソニー損保

ソニー損保は、ダイレクト(ネット通販)型損保の売上高トップを独走しています。

保険料は、ダイレクト(ネット通販)型としては高いので、JA共済と近い金額になりそうです。

ただし、事故対応の評判は極めて高く、業界トップクラスです。

日本を代表するエレクトロニクス企業ソニーのグループ会社というのも心強いです。

こくみん共済coop『マイカー共済』

自動車共済の中から競合商品を選ぶなら、こくみん共済coop『マイカー共済』です。

全労済が2019年に名称を変えて、こくみん共済coopになりました。

JA共済の自動車共済と同じく、損保会社の自動車保険と同じ仕組みを採用しており、等級の引き継ぎもできます。

掛金(保険料)は、JA共済と近い水準です。見積もり条件や補償内容によって、優劣が入れ替わります。

こくみん共済coopの見積もりも、下の無料一括見積もりサービスでできます!

自動車保険の無料一括見積りサービスはいくつかありますが、以下の理由で、こちらのサービスをおすすめします。

  • 1回入力すれば、複数の気になる自動車保険の見積りが、一気に作成されます。
  • 参加している保険会社数が多く、おすすめしたい自動車保険がすべて含まれています。
  • 『保険見直し本舗』(全国300店舗以上)を展開する株式会社ウェブクルーによるサービスなので、安心感がある。
  • サイトの利用はもちろん無料。
  • サイトは使いやすく、各損害保険会社とのつながりはスムーズ。

自動車保険サイトの1社分の情報を入力すると、おもな自動車保険の保険料が図のように一覧表示されます。

その後、個々の自動車保険のホームページに移動して、さらに条件を変えて、試算をやり直すこともできます。

このサイトの利用者を対象としたアンケート調査によると、月々の保険料が平均して約25,000円安くなったそうです。

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