事故は減っているのに保険料はジワジワと値上がり。保険料節約のために、積極的に見直しを!

年々、交通事故による死傷者数や保険金支払件数は減少しています。本来なら、保険料は安くなるはずですが・・・

交通事故による死傷者数は、年々減少しています。

以下は、警察庁『令和3年中の交通事故の発生状況』をもとに作成した、交通事故による死傷者数の過去5年の推移です。

(万人) 60 30 0 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度

交通事故の被害が減れば、保険会社の保険金支払いも減るはず。

実際、自動車保険から支払われた保険金額は、下のグラフの通り減少傾向です(損害保険料率算出機構『自動車保険の概況』2022年度版)。

(百億円) 200 100 0 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度

自動車保険の保険金には、車の修理代などもあるので、上の警察庁のグラフとは変化のしかたが異なっています。

それでも、2019年度以前とその後とでは、あきらかに減っています。

保険金の支払いが減れば、保険会社の負担が軽くなるので、保険料も安くなりそうなものです。

実際はどうなのでしょうか?

自動車保険の保険料は値上がりしています。とくに車両保険が高くなっています。

下のグラフは、自動車保険(任意保険)の保険料の推移です(損害保険料率算出機構『自動車保険の概況』2022年度版)。

(百億円) 400 200 0 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度

保険金の支払いが減っているはずなのに、保険料収入はほとんど変化していません。実質値上げしています。

上のグラフではわかりませんが、とくに車両保険の保険料が値上がりしています。

保険料の負担を抑えることを、いつも意識していなければなりませんね。

テレビや雑誌やネットで、保険料の安い自動車保険の広告をよく目にします。本当に安くなりますか?

代理店型に加入している人は、ダイレクト(ネット通販)型に切りかえるだけで、年間数万円の節約を期待できます。

テレビや雑誌やネットで、保険料の安さを宣伝しているのは、ダイレクト(ネット通販)型自動車保険です。
一方、東京海上日動、損保ジャパン、あいおいニッセイ同和、三井住友海上のような、伝統のある大手損保の自動車保険を、代理店型自動車保険と呼びます。

ダイレクト(ネット通販)型と代理店型の保険料の差を、具体的にご案内します。

情報誌『日経トレンディ』は、毎年保険特集を組んでいます。そして、主な自動車保険の保険料比較の記事を掲載しています。

保険料ランキングの一部をご覧いただきましょう。トヨタのプリウスに乗る、40歳20等級ゴールド免許の人が、車両保険を付けて、各社の自動車保険に加入したときの、保険料のランキング(抜粋)です。

1位 イーデザイン損保 23,920円
2位 SBI保険 24,300円
3位 セコム損保 25,200円


11位 三井住友海上 40,030円
12位 あいおいニッセイ同和 40,110円
13位 東京海上日動 40,190円

1~3位はダイレクト(ネット通販)型です。11~13位は代理店型です。

保険料の差は1.5~1.7倍にものぼっています!

ダイレクト(ネット通販)型がそんなに安くできるのは、なぜでしょうか?

ダイレクト(ネット通販)型自動車保険の保険料の安さには、ちゃんとした理由があります。

補償の内容は、ダイレクト(ネット通販)型でも代理店でも、大差ありません。安いからと言って、ダイレクト(ネット通販)型の補償が安っぽいわけではありません。

補償内容は、ダイレクト(ネット通販)型も代理店型も大差ない

自動車保険では、他社に切りかえるときに、等級を引き継ぐことができます。
なぜそんなことができるのかというと、会社は違っても、自動車保険の基本的な仕組みは共通しているからです。

もちろん、細かいところでの違いはいろいろあります。しかし、対人賠償保険、対物賠償保険、人身傷害保険、車両保険を軸とする仕組みは共通しています。

ダイレクト(ネット通販)型と代理店型の間でも、もちろん等級を引き継ぐことは可能です。
だから、保険料が安いからといって、補償が薄いわけではありません。

代理店がないために、経営コストへを低くできる

代理店型の損保会社と比較して、ダイレクト(ネット通販)型の最大の特徴は、コストのかかりにくい経営をしていることです。

コストのかからない経営の一つが、代理店制度を設けないで、損保会社自身が商品を直接に販売していることです。

代理店型自動車保険では、保険に加入したり、更新するときに、代理店が窓口になります。

代理店は、損保会社と契約を結んで、保険の販売をおこなっています。そして、保険を加入させたり更新させると、損保会社から販売手数料をもらいます。

ダイレクト(ネット通販)型の損保会社は、原則として、代理店を間にはさまないで、ネットや電話などを活用して、自社商品を直接に販売しています。

そのために、代理店に販売手数料を払う必要がありません。また、代理店を管理・指導するための地方組織を設ける必要もありません。
それらの結果、会社の経営に、代理店型ほどお金がかかりません。

その分、保険料を安くすることができます。

ダイレクト(ネット通販)型が安い理由はわかりましたが、代理店がなくても大丈夫ですか?

自動車保険を、すでに何回か更新している人になら、代理店がなくても問題は起こらないでしょう。

はじめて自動車保険に加入する方なら、代理店の担当者から対面で説明を受けることに、メリットがあるかもしれません。

しかし、すでに何回か保険を更新している人にとっては、代理店の存在価値はそんなに大きくありません。というのは・・・

代理店が無くても大丈夫です。

代理店の有無は、事故対応には直接的に影響しない

事故が起こったときに代理店があれば安心、とお考えの方がいます。しかしそれは誤解です。

保険での事故対応は代理店の仕事ではありません。
事故が起こったときに、代理店に連絡すれば対応してくれます。でも、その対応というのは、損保会社に連絡するだけです。

わたしたち加入者から損保会社に事故の連絡をしても、受け付けてくれます。そうする方が、間に代理店をはさまないので、損保会社の事故対応の初動は早くなります。

また、どのみち、代理店の営業時間外に事故が起こったら、直接に損保会社に連絡せざるを得ません。
保険証券には、損保会社のフリーダイヤルが印字されており、事故受付窓口は、365日24時間体制です。

事故対応は、代理店の仕事ではないのですね・・・

保険の更新は、代理店があってもなくても同じ

自動車保険の更新のたびに、代理店の担当者から、対面で説明を受けていますか?電話と郵送だけで、手続きを済ませていませんか?

保険の更新が近くなったら、更新の書類が郵送されてきます。その書類には、現在の補償内容で更新するプランと、おすすめのプランが記載されていて、どちらかを選べるようになっています。
わからないことがあったら、代理店に電話で問い合わせて解決していませんか?

こんな風に更新手続きをされているとしたら、ダイレクト(ネット通販)型自動車保険と、何も違いはありません。
すぐにダイレクト(ネット通販)型に切りかえても、不都合を感じないでしょう。

最近、代理店の担当者と顔を合わせたのは、いつですか!?

ダイレクト(ネット通販)型の損害保険会社をよく知りません。任せても大丈夫でしょうか?

中立性の高いランキングによると、ダイレクト(ネット通販)型だから品質が悪いとは言えなくなっています。

有力なマーケティング調査会社の口コミ・ランキング

信頼できそうな口コミ・ランキングが、国際的なマーケティング調査会社J.D.パワーによる、自動車保険顧客満足度調査です。

最近の2年分のランキングは下の通りです(投票数が規定数に達しない損保会社は対象外です)。

赤字がダイレクト(ネット通販)型、青字が代理店型の損害保険会社です。

会社名 2023年 2022年
ソニー損保 1位 1位
東京海上日動 2位 7位
AIG損保 3位 2位
損保ジャパン 4位 3位
三井住友海上 5位 4位
イーデザイン損保 6位 8位
あいおいニッセイ同和 7位 5位
アクサダイレクト 8位 9位
セゾン自動車火災 9位 6位
三井ダイレクト損保 10位 12位
チューリッヒ保険 10位 10位
SBI損保 12位 11位

全体的な健康としては代理店型の損保の方が優勢です。

ダイレクト(ネット通販)型は、3つのグループ(「代理店型と同等以上」「代理店型に近い」「代理店型より低い」)に分かれているようです。

消費者が、価格と品質のバランスを見極めて、選ぶ時代になっているのですね。

ダイレクト(ネット通販)型損保の多くは、大手損保など、しっかりした後ろ盾を持っています。

ダイレクト(ネット通販)型損保会社の多くは、しっかりとした後ろ盾(だて)を持っています。

初めて聞く会社名だと、その会社の規模や体制に不安を覚えるかもしれませんが、心配無用であることが多いです。

ダイレクト(ネット通販)型自動車保険の入門には、大手損保と同じ系列の損保会社をおすすめします。

資金面でしっかりしている上に、大手損保のサービス網を利用できますし、人材・ノウハウの交流も密です。

  • イーデザイン損保(東京海上日動)
  • セゾン自動車火災(損保ジャパン)
  • 三井ダイレクト損保(三井住友海上)

それぞれ、( )内の大手生保と同じグループです。

この他、ソニー損保も、安心を得やすいです。

会社名のとおり、ソニー・グループに連なる損保会社です。親会社は保険会社ではありませんが、すでに20年以上営業しており、かつ2002年からずっと、ダイレクト(ネット通販)型売上トップを独走しています。

これ以外の会社にも、それぞれ強みがあります。上で名前をあげた4社を取っ掛かりにして、検討の幅を広げてください。

万が一損保会社が倒産しても、代理店型と同じように、保護を受けることができます。

極端なケースですが、損保会社が倒産した場合、代理店型であろうと、ダイレクト(ネット通販)型であろうと、外資系であろうと、以下のような保護を受けることができます。

すなわち、損害保険契約者保護機構という組織が、倒産後3ヶ月間は、契約どおりに補償してくれます。3ヶ月を過ぎた後は、契約内容の80%まで補償してくれます(保険金額が当初の80%に減ります)。

もちろん、倒産前に他社に切りかえるのが理想ですが、知らないうちに倒産してしまうかもしれません。
それでも、1年更新の自動車保険なら、次の更新のときに、別の会社乗り換えることができます。数年単位で加入する保険商品に比べると、自動車保険は倒産のダメージを受けにくいと言えます。

ダイレクト(ネット通販)型自動車保険は、たくさんありますね。見積もりを作って比較するのは大変そう・・・

ダイレクト(ネット通販)型は、保険料の差が小さいです。できるだけ多くの見積もりを比較して選びたいです。

それぞれのダイレクト(ネット通販)型自動車保険の間での、保険料の差は小さいです。そのために、実際に見積もりをしてみないと、おトクな商品を見つけることはできません。

例として、アクサダイレクト、イーデザイン損保、SBI損保、チューリッヒ保険、三井ダイレクト損保の5社の自動車保険を、できるだけ条件をそろえて見積もりし、保険料の安さで順位を付けました。

そのとき、車両保険を付けるか付けないかで、順位は下のように変動しました。

順位 車両保険無し 車両保険あり
1位 イーデザイン損保 チューリッヒ保険
2位 チューリッヒ保険 イーデザイン損保
3位 SBI損保 三井ダイレクト損保
4位 アクサダイレクト アクサダイレクト
5位 三井ダイレクト損保 セゾン自動車火災

このように、補償内容を変更すると、安さの順位は大きく入れ替わりました。

自分の条件で、実際に見積もりしないと、どれがオトクか決められませんね。

一つ一つはわかりやすくても、数が多いし、何より条件をそろえて各社の見積もりを作るのは難しいです。

ダイレクト(ネット通販)型の損保会社は、それぞれわかりやすくて使いやすい見積もりの仕組みを、各社のホームページに用意しています。

どの損保会社の自動車保険も、仕組みは似通っているので、時間をかけさえすれば見積もりをそろえられそうです。
ところが、条件や補償内容を同じにして、各社の見積もりを作成しようとすると、かなりてこずるでしょう。

各社の自動車保険は、基本部分は似通っていても、細かい違いがあちこちにあります。そのために、見積もりの条件設定をそろえることが難しくなります。

一通り見積もりができたと思ったら、細かな食い違いが見つかって、もう一度作り直し、ということが何度となく起こります。
食い違いに気がつけばまだ良い方で、それに気がつかないまま加入してしまう恐れだってあります。

というわけで、複数の自動車保険の見積もりを比較するときに、各社のホームページで、ひとつひとつ見積もりを作成することは、おすすめできません。

1回の入力で、一通りの見積もりが一気にそろうサービスがあります。

自動車保険の無料一括見積りサービスはいくつかありますが、以下の理由で、こちらのサービスをおすすめします。

  • 1回入力すれば、複数の気になる自動車保険の見積りが、一気に作成されます。
  • 参加している保険会社数が多く、おすすめしたい自動車保険がすべて含まれています。
  • 『保険見直し本舗』(全国300店舗以上)を展開する株式会社ウェブクルーによるサービスなので、安心感がある。
  • サイトの利用はもちろん無料。
  • サイトは使いやすく、各損害保険会社とのつながりはスムーズ。

自動車保険サイトの1社分の情報を入力すると、おもな自動車保険の保険料が図のように一覧表示されます。

その後、個々の自動車保険のホームページに移動して、さらに条件を変えて、試算をやり直すこともできます。

このサイトの利用者を対象としたアンケート調査によると、月々の保険料が平均して約25,000円安くなったそうです。

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