自動車共済とは、どういうものですか?自動車保険と何が違うのですか?

共済と保険では、基本の仕組みや法律的根拠などに違いがあります。ただし、わたしたちが知っておきたい違いは4つです。

自動車保険は、損害保険会社が販売しています。自動車保険を取り扱っている損害保険会社は、2017年6月現在25社あって、金融庁の監督下にあります。

一方、自動車共済を販売する共済は数多くあって、正確な数はわかりません。共済によって監督官庁が異なり、また監督官庁が無い共済も多数あるので、全体像がつかめません。

だからと言って、共済に警戒感を持つ必要はありません。数は限られますが、損保会社と同等か、より規模の大きな共済だってあります。

わたしたち消費者の立場で、自動車保険と比べたときの、自動車共済の特徴として押さえたいのは、以下の4点です。

  • 自動車共済に入るには、組合員になることが前提条件。
  • 保険と共済では、ところどころ言葉づかいが異なる。
  • 損保会社と、等級引継ぎできない共済が多い。
  • 自動車共済には、破たんしたときの、加入者保護の仕組みがない。

誰でも共済の組合員になれますか?どうすれば、組合員になれますか?

共済によって、組合になるための条件は異なります。中には、誰でも組合員になれる共済もあります。

共済に入るのと、保険に加入するのとで、わたしたち消費者にとっての最大の違いは、共済は会員制のサービス、ということです。

そのサービスを受けるには、共済のメンバー=組合員になることが前提条件です。そして、組合員になれる条件は、共済によって異なります。

たとえば、教職員共済の組合員になれるのは、学校職員や文部科学省の関係者に限られます。

一方、広く門戸を開いている共済もあります。

全労済JA共済であれば、誰でも利用することができます。

勤務先や所属する団体などに共済があれば、募集・勧誘のチラシ配布などの案内が、定期的にあります。

職業に関連する共済はたくさんあるので、調べると、身近に見つかるかもしれません。

身近に共済が無くても、心配無用です。
全労済は、全国に展開していて、誰でも組合員になることができます。
また、JA共済は、組合員になれるのは農業従事者ですが、それ以外の人でも、准組合員になったり、員外利用という形で、サービスを利用できます。

コープ共済も、組合員になりやすい共済ですが、あいにくと自動車共済を取り扱っていません。

どなたにとっても、自動車共済は、候補に加えられます。

自動車共済の仕組みや補償内容は、自動車保険と同じなのでしょうか?

自動車共済には、自動車保険と互換性があるもの、無いものがあります。ある共済を選びましょう。

自動車共済の中には、損保会社の自動車保険と同等の仕組みを持つものと、そうでないものがあります。

同等の仕組みを持つ自動車共済は、自動車保険と互換性があります。

つまり、加入者が希望すれば、等級を維持したままで、好みの自動車保険に切り替えることができます。

互換性がない自動車共済から自動車保険に乗り換えると、6等級からの再スタートになり、保険料がかなり高くなります。

自動車保険と自動車共済のシェアを比べると、自動車保険の方がはるかに大きいです。

図は、損害保険料率算出機構『自動車保険の概況』(2018年度)をもとに作成した、自動車保険と自動車共済のシェアです。

自動車保険と自動車共済のシェア

魅力を感じる自動車保険が、現時点では無いとしても、自動車保険の商品改定は1〜3年間隔でおこなわれるので、今後どうなるかはわかりません。

自動車共済(自動者保険)は、長く続けるものです。将来の選択肢を多く用意しておきたいです。

そのためには、自動車保険と相互乗り換えしやすい自動車共済を、おすすめします。

等級引継ぎの仕組みや、自動車保険と等級引継ぎできる自動車共済は、下でご案内しています。

自動車共済と自動車保険では、言葉づかいが一部異なります。

自動車共済と自動車保険とで、言葉づかいに違いがあります。混乱するほどではないものの、多少はとまどうかもしれません。

例として、下表に、JA共済『クルマスター』と、一般的な自動車保険との、言葉づかいの違いをまとめました。

共済の用語 保険の用語
共済金額 保険金額
共済掛金 保険料
共済期間 保険期間
被共済者 被保険者
保障 補償
傷害定額給付 搭乗者傷害保険

"共済"という言葉を、"保険"に置き換えると、たいていはすんなりと理解できます。

なお、"ほしょう"を表するのに、損保会社は"補償"としています。これに対して、JA共済は"保障"という漢字を使っています。この点にも、注意が必要です。

共済と保険とで、言葉づかいの違いはありますが、そんなにとまどうことはないと思います。

自動車保険と、等級引継ぎできる共済と、できない共済があるようです。やっぱり、できる共済の方が良いですか?

等級引継ぎできないと、実質的に、他の自動車保険や自動車共済に乗り換えられなくなってしまいます。

共済では、保険料のことを掛金(かけきん)と呼びます。掛金は、いろんな要素が組み合わさって決まります。

掛金(保険料)に大きく影響するのが等級

掛金に、大きく影響するものの一つが、等級です。
たとえば、7等級だったら、標準の保険料から30%割引になります。8等級だと、割引は40%になります。

自動車保険を使わないで、1年を過ごせると、翌年に等級が上がります。言うなれば、等級は、安全運転の実績です。

等級を引き継げないと、同じ商品を続けざるを得なくなる

自動車保険同士なら、他社の保険に乗り換えても、等級を引き継ぐことができます。
たとえば、現在10等級の人が、更新のときに他社に乗り換えても、等級が引き継がれて11等級になります。

もし、等級の引継ぎができないとしたら、他社に乗り換えると、新規=6等級に戻ってしまいます(図の下側)。

自動車保険の等級引継ぎ

等級が下がると、保険料が大幅に値上がりしてしまいます。

そうなると、他社が良い商品を発売しても、そちらに乗り換えるのは困難になります。

等級引継ぎできないと、長期的には損になります。

他社に等級を引き継げない自動車共済がある

国内で販売されている自動車保険の間では、外資系であろうと、ダイレクト(ネット通販)型であろうと、等級を引き継ぐことができます。

一方、自動車共済だと、他の自動車共済や自動車保険と、等級引継ぎできないものが、いくつもあります。

ほとんどの損保会社と、等級引継ぎできる共済は、以下になります。

  • JA(農協)共済
  • 全労済
  • 全日本火災共済(旧中小企業共済)
  • 全国自動車共済

上と名称が異なる共済でも、実際には、上の4つのどれかが運営しているかもしれません。
加入している共済の共済証書を見て、引受団体名をご確認ください。引受団体が上の4つのいずれかであれば、等級を引き継げるかもしれません。

たとえば、電通共済生協、JP共済生協、全国交運共済生協などの自動車共済は、実際には全労済が運営しており、自動車保険との等級引継ぎは可能です。

なお、教職員共済は、損保会社によっては、等級を引き継ぐことができます。個別にご確認ください。

等級引継ぎできる共済は、中身が充実している

ところで、等級引き継げるということは、その自動車共済の中身が、自動車保険と対等であるという、証明になります。

損保業界から見て、対等と認められる自動車共済だから、それとの等級引継ぎを認めているわけです。

等級引継ぎできない自動車共済は、補償が劣っているか、特殊な仕組みである危険があります。保険の知識に自信がない人は、それに近づかない方が、安全です。

等級引継ぎできることは、品質の証明にもなるのですね。

共済が経営不振になったり、破たんしたとき、自動車共済に入っている人は、保護されますか?

損保会社が破たんしたら、保険加入者は保護されます。一方、共済には、そういう仕組みはありません。

損害保険業界には、損害保険契約者保護機構という組織があります。
万が一、加入している損保会社が破たんしても、この組織が、保護してくれます。

自動車保険については・・・

  • 破綻後3ヵ月間は、保険金全額をもらえる。
  • 3ヵ月を過ぎた後は、契約の保険金額の80%をもらえる。

一方の自動車共済には、このような保護の制度がありません。

そこで、破綻の可能性が限りなく低い共済を、選ばなければなりません。

つぶれにくい共済、つぶれても公的支援を受けられそうな共済を選びましょう。

以下に当てはまる共済なら、破綻しにくいし、万が一破綻しても、公的支援を受けられる可能性が高いです。

監督官庁がある共済を選ぶ

共済には、大手保険会社を超える大きなも組織がある一方、無認可の小規模なものも多数あります。

自動車共済を検討されるなら、認可されていて、監督官庁がある共済に絞りましょう。

そういう共済は、法律の裏付けがあるので、運営のルールが明確になっています。そして、官庁によって、ルールに則って運営されるように、監督されています。安心は大きいです。

また、法律に裏付けられた共済は、それだけ公共性が認められているわけなので、万が一破たんしても、公的な支援を期待できます。

全国規模の共済を選ぶ

共済にせよ、保険にせよ、同じ不安を持つ人たちが、互いにお金を出し合って、助け合う仕組みです。

どちらにしても、参加する人が多ければ多いほど、そして住んでいる地域や年代や職業などにかたよりが無いほど、安定した運営ができます。

よって、全国展開していて、組合員の数が多い共済を選びたいです。

たとえば、特定の地方だけで活動している共済だと、その地方が災害に見舞われたら、経営が危なくなってしまうかもしれません。
あるいは、特定の業種だけで構成される共済だと、不況業種になったときに、経営が傾くかもしれません。

加入者(組合員数)が多いほど、公的支援を受けやすい

大手企業が経営危機に陥っても、常に政府が支援するわけではありません。

たとえば、東芝やシャープを、政府は支援しませんでした。

ただし、公共性が高いと、政府が支援する可能性は高くなります。2010年に破綻した日本航空は、政府の援助を受けられました。

共済は、国民生活を守るためのものです。公共性の高い業種です。加入者(組合員数)の多い共済が破綻すれば、社会不安は大きくなります。

ということは・・・

加入者(組合員数)の多い共済ほど、公的支援を受けられる可能性が高いです。

ただし、ほとんどの共済が加入者数を公表していません。そこで、契約件数とか売上高(経常収益)から、推測するしかありません。

たとえば全労済は

契約件数を公表していますが、2017年度の保有件数は、2957万件だったそうです。

仮に一人平均3件とすると、加入者数は約986万人に上ります。

もしこの数字が正しければ、東北7県(青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島)の人口に匹敵します。

破綻の被害者がここまで多いと、政府が放置するとは思えませんね。

契約件数を公表している共済も少ないので、損保会社と等級の引き継ぎができる4つの共済の、2017年度の売上高(経常収益)を、下表にまとめました。

売上高が大きければ、契約件数も多い可能性が高いです。

共済 経常収益
JA共済 57,952億
全労済 6,817億
全国自動車共済 329億
全日本火災共済 186億

全国の農協という、大規模な販売網があるとは言え、JA共済の売上高はずば抜けています。

自動車共済はたくさんあるようですが、おすすめの共済はありますか?

全労済の自動車共済『マイカー共済』をおすすめします。

全労済の『マイカー共済』をおすすめする理由は、以下の通りです。

  • 全労済は、大手損保会社に匹敵する規模の、全国的な共済である。
  • 誰でも、簡単な手続きで、組合員になることができる。
  • 自動車保険との等級引継ぎができる。
  • 自動車保険と同等の補償内容である。
  • 掛金(保険料)は、ダイレクト(ネット通販)型自動車保険並みで割安。
  • 事故対応の評判は、そこそこ良さそう。
  • 自動車保険との、補償や価格の比較が、簡単にできる。

他にも、優良な自動車共済はあると思います。

ただ、自動車共済のほとんどは、掛金(保険料)を公表していなかったり、事故対応に関する評判・口コミが乏しかったりと、不透明です。

不透明な部分が多いと、おすすめしにくいです。特に、事故対応力は、自動車共済の品質に直結するので、確実なものを選びたいです。

その点、全労済は、損保会社と同じくらいオープンです。

なお、全労済の『マイカー共済』については、全労済のページで、詳しく説明しています。

無料一括見積りサービスを利用すると、主な自動車保険と『マイカー共済』を、簡単に比較できます。

自動車保険同士の間でも、補償内容や用語に違いがあって、比較していて迷うことがあります。

比較対象に、自動車共済を加えると、さらにわずらわしくなります。

そこで、下でご案内している、自動車保険の無料の一括見積サービスをおすすめします。このサービスには、主だった自動車保険に加えて、全労済も参加しています。

1回の入力で、主な自動車保険と全労済の見積もりが、一気に入手できます。

自動車保険の無料一括見積りサービスはいくつかありますが、以下の理由で、こちらのサービスをおすすめします。

  • 1回入力すれば、複数の気になる自動車保険の見積りが、一気に作成されます。
  • 参加している保険会社数が多く、おすすめしたい自動車保険がすべて含まれています。
  • 『保険見直し本舗』(全国300店舗以上)を展開する株式会社ウェブクルーによるサービスなので、安心感がある。
  • サイトの利用はもちろん無料。
  • サイトは使いやすく、各損害保険会社とのつながりはスムーズ。

自動車保険サイトの1社分の情報を入力すると、おもな自動車保険の保険料が図のように一覧表示されます。

その後、個々の自動車保険のホームページに移動して、さらに条件を変えて、試算をやり直すこともできます。

このサイトの利用者を対象としたアンケート調査によると、月々の保険料が平均して約25,000円安くなったそうです。

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