ダイレクト(ネット)型の自動車保険について、わかりやすく解説します。

自動車保険は、代理店型とダイレクト(ネット)型の2タイプに分けることが出来ます。

ダイレクト(ネット)型は、手続きの大半をインターネットや電話でおこなうため、加入者の負担が大きくなります。そのかわりに、保険料は安くなります。

【代理店型】 加入者 代理店 保険会社 【ダイレクト型】 加入者 保険会社 インターネットなど

このページでは、ダイレクト(ネット)型の自動車保険について解説します。

ダイレクト(ネット)型自動車保険の保険料はどのくらい安いのでしょうか?

代理店型自動車保険と比べると、ダイレクト(ネット)型の方が保険料は安くなります。

7パターンの年齢と等級の組み合わせで、代理店型とダイレクト(ネット)型の年払い保険料の平均を比較したのが、下のグラフです。

ダイレクト型 代理店型 10万円 5万円 0 21歳 7等級 26歳 7等級 35歳 10等級 45歳 17等級 55歳 20等級 65歳 20等級 75歳 20等級

全パターンで、ダイレクト(ネット)型のほうがあきらかに安くなります。

ダイレクト(ネット)型が安くなるのは、代理店の経営コストがかからないからです。

代理店型自動車保険の保険料には、全国の代理店の経営コストが含まれます。その分、代理店がないダイレクト(ネット)型より、保険料が高くなります。

ただし、ダイレクト損保によっては、広告宣伝(テレビCMなど)にコストをかけているところがあります。

ダイレクト(ネット)型自動車保険は、補償やサービスが薄くはないのですか?

自動車保険としての基本的な補償は大差ありません。しかし、それを補強する特約・サービスは、一般的に代理店型のほうが手厚いです。

比較すれば、代理店型自動車保険のほうが補償に厚みがあります。

しかし、日常生活の道具として使う車の補償であれば、ダイレクト(ネット)型でも十分に実用的です

【代理店型】 主契約 特約・サービス 【ダイレクト型】 主契約 特約・サービス ほぼ同じ

通常より手厚い保障や、先進的な補償(デジタル技術の活用など)をご希望であれば、代理店型のほうが適しています。

ダイレクト(ネット)型自動車保険は、加入者が補償プランを作ったり諸手続きをするので、シンプルさやわかりやすさを重視する傾向が強いです。

一方の代理店型は、代理店がサポートをおこなうので、少々複雑になっても、多機能・高機能であることが重視されます。

サービスの品質では、ダイレクト(ネット)型が一概に劣っているわけではありません。

中立性の高い調査会社による、事故対応満足度ランキングをご覧ください。

〔2025年10月より社名変更〕

J.D.パワーによる事故対応ランキング

国際的なマーケティング調査会社J.D.パワーによる、事故対応満足度調査です。

この調査の、過去2年間のランキングを、下表にまとめました。

赤字がダイレクト(ネット)型、青字が代理店型の損害保険会社です。

会社名 2024年 2023年
ソニー損保 1位 1位
東京海上ダイレクト 2位 6位
AIG損保 3位 3位
三井ダイレクト損保 4位 10位
SOMPOダイレクト 5位 9位
東京海上日動 6位 2位
三井住友海上 7位 5位
あいおいニッセイ同和 8位 7位
アクサダイレクト 9位 8位
損保ジャパン 10位 4位
SBI損保 11位 12位
チューリッヒ保険 12位 10位

好評か不評かと、ダイレクト(ネット)型か代理店型かの区別とは、まったく関係ないように見えます

価格コムによる事故対応ランキング

価格コムの顧客満足度ランキングから、事故対応部門の順位をピックアップしました。公表されているのは10位までです。

赤字がダイレクト(ネット)型、青字が代理店型の損害保険会社です。

会社名 2025年 2024年
ソニー損保 1位 3位
日新火災 2位 1位
東京海上日動 3位 2位
三井住友海上 4位 5位
アクサダイレクト 5位 3位
損保ジャパン 6位 9位
SOMPOダイレクト 7位 7位
AIG損保 8位 4位
東京海上ダイレクト 9位 8位
共栄火災 10位 6位

J.D.パワーのランキングに比べると、代理店型のほうがやや優勢に見えます。

とは言え、ダイレクト(ネット)型の中に高評価な会社もあれば、代理店型の中に低評価な会社もあります。

オリコンによる事故対応ランキング

オリコンの顧客満足度ランキングの、事故対応にかかわる3部門のポイントを集計し、順位を割り振りました。

赤字がダイレクト(ネット)型、青字が代理店型の損害保険会社です。

会社名 2025年 2024年
ソニー損保 1位 2位
AIG損保 2位 1位
三井ダイレクト損保 3位 9位
東京海上ダイレクト 4位 8位
日新火災 5位 3位
東京海上日動損保ジャパン 6位 4位
共栄火災 7位 14位
三井住友海上 8位 7位
SOMPOダイレクト 9位 6位
あいおいニッセイ同和 10位 5位
アクサダイレクト 11位 13位
チューリッヒ保険 12位 12位
損保ジャパン 13位 10位
SBI損保 14位 10位
楽天損保 15位 15位

J.D.パワーのランキングと似た傾向が見られます。ダイレクト(ネット)型の中に高評価な会社もあれば、代理店型の中に低評価な会社もあります。

ダイレクト(ネット)型自動車保険は、好評なグループ、不評なグループ、どちらとも言えないグループに分かれつつあるようです。

上のランキングをよく見ると、以下のように分類できそうです。

好評
  • ソニー損保
  • 東京海上ダイレクト
  • 三井ダイレクト損保
どちらとも言えない
  • アクサダイレクト
  • SOMPOダイレクト
不評
  • SBI損保
  • チューリッヒ保険
  • 楽天損保

ダイレクト損保は、歴史が浅く規模の小さな会社ばかりのようです。倒産の心配はありませんか?

ダイレクト損保はどこも、大きな企業グループに属しています。経営の安定性は高いです。

ダイレクト損保が属している企業グループを下表にまとめました。

会社名 企業グループ等
アクサダイレクト フランスに本拠を置く世界的な保険会社AXAグループの日本法人。AXAグループは日本の大手損保より巨大。
東京海上ダイレクト 東京海上グループ(東京海上日動、日新火災)のダイレクト損保。
SBI損保 SBIグループ(ネット上で金融事業を多角的に展開)のダイレクト損保。
セコム損保 セコムグループ(国内最大の警護保障会社)の損保会社。
SOMPOダイレクト SOMPOグループ(損保ジャパン)のダイレクト損保。
チューリッヒ保険 スイスに拠点を置くチューリッヒグループの日本支店。チューリッヒグループは日本の大手損保と同格。
三井ダイレクト損保 MS&ADインシュアランスグループ(あいおいニッセイ同和、三井住友海上)のダイレクト損保。
楽天損保 楽天グループの損保会社。

補足説明

外資系の保険会社は、つぶれなくても、日本から撤退するリスクがあります。ただし、近年の例を見ると、加入者の損にならないように、計画的に撤退しています。

1年更新の自動車保険であれば、損保会社の経営状態をそんなに気にすることはありません。

損保会社が破綻したら、その後3ヶ月間は、損害保険契約者保護機構が保険金100%を保証してくれます。

3ヶ月が過ぎても80%までは保証してくれます。

1年更新の自動車保険なら、損保会社が破綻しても、大損をさせられるリスクは小さいです。

ダイレクト(ネット)型自動車保険のお勧め商品を、教えてください。

評判と安さのバランスが良い商品はこちらです。

幅広くお勧めできるのが、以下の商品です。

ソニー損保
  • ソニーグループのダイレクト損保
  • ダイレクト(ネット)型売上No.1
  • お勧めは『安全運転でキャッシュバックプラン』
三井ダイレクト損保
  • MS&ADグループ(三井住友海上など)のダイレクト損保

各商品の詳細は、以下のページで解説しています。

保険料の安さを何よりも優先するなら、こちらの商品を候補に加えてください。

純粋に安さを求めるなら、以下の商品を候補に加えてください。ただし、いずれも品質面で好評とは言いがたいです。

SBI損保
  • SBIグループのダイレクト損保
  • 苦情は多いものの、重大なトラブルは少なそう
  • 激安とは言えないけれど、安定して相場より安くなる
セコム損保
  • セコムグループのダイレクト損保
  • 他社商品より補償を削って安くできる
チューリッヒ『ネット専用自動車保険』
  • 保険料は格安
  • 申込条件や手続きで、少し制限がある

不評であっても、損保会社が契約違反を犯すことはほとんどありません。説明がわかりにくかったり、不親切であったり、手続きが遅いなどで、イライラさせられ、不安にさせられるリスクはあります。

不評な自動車保険に向いているのは、イライラさせられたり、ストレスがたまる状況になっても冷静でいられて、ときには自分から働きかけて解決できる人、ということですね。

自動車保険の無料一括見積りサービスはいくつかありますが、以下の理由で、こちらのサービスをおすすめします。

  • 1回入力すれば、複数の気になる自動車保険の見積りが、一気に作成されます。
  • 参加している保険会社数が多く、おすすめしたい自動車保険がすべて含まれています。
  • 『保険見直し本舗』(全国360店舗)を展開する株式会社ウェブクルーによるサービスなので、安心感がある。
  • サイトの利用はもちろん無料。
  • サイトは使いやすく、各損害保険会社とのつながりはスムーズ。

自動車保険サイトの1社分の情報を入力すると、おもな自動車保険の保険料が図のように一覧表示されます。

その後、個々の自動車保険のホームページに移動して、さらに条件を変えて、試算をやり直すこともできます。

このサイトの利用者を対象としたアンケート調査によると、月々の保険料が平均して約25,000円安くなったそうです。

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