保険期間が1年を超える、長期契約の自動車保険があるそうですね!?

ここ最近、長期契約の魅力が低下しています。長期契約できることを条件に自動車保険を探すことは、おすすめできません。

一般的な自動車保険は1年契約で、毎年更新の手続きをします。ただし、損害保険会社によっては、複数年の長期契約が可能です。

損害保険会社にとって、長期契約の加入者はお得意様なので、いくつか特典を用意しています。すでに加入する損害保険会社が決まっているなら、1年契約より長期契約にする方が、メリットは多いです。

しかし、まだどの損害保険会社と契約するか決めていないなら、長期契約にこだわることが、プラスになるとは限りません。

というのは、

長期契約を条件に候補を探すと、一部の代理店型自動車保険に限定され、本当にオトクな商品を見逃す危険があります。

また、長期契約が盛んだった数年前と比べて、近年は長期契約のメリットが小さくなっています。

期待するほど、保険料は安くなりません・・・

2019年現在、長期契約を取り扱っているのは、一部の代理店型自動車保険です。

長引く低金利・マイナス金利は、損害保険会社にとっても負担になっています。

長期契約は、保険料の割引をおこなうため、この制度を設けると、経営への負担が大きくなります。

そのため、代理店型損保会社の中でも、長期契約を取り扱うところは限られています。

2019年3月時点で、長期契約を引き受ける損害保険会社は、下表のとおりです。

保険会社 契約期間
あいおいニッセイ同和 3年
共栄火災 2年または3年
損保ジャパン 3年から7年
三井住友海上 2年から3年
楽天損保 3年から6年

自動車保険の長期契約には、どんなメリットがありますか?

同じ自動車保険に入るなら、1年契約より長期契約にする方が、保険料負担を抑えられます。

たとえば、3年の長期契約なら、2年目、3年目の保険料が割引になります。1年ごとに更新して3年間続けるより、オトクです。

損保会社とすれば、更新の案内や手続きを省略できるので、省力化につながります。その見返りとして保険料を少し安くしてくれます。

ただ、割引率はそんなに高くありません。低金利・マイナス金利の時代なので、思い切った値引きは難しいようです。

長期契約なら、その期間中に限っては、事故を起こしても、翌年から保険料は上がりません。当初に約束された金額のままです。

1年更新の自動車保険だと、保険を使う(保険金を受け取る)と、翌年の更新のときに3または1等級ダウンして、保険料が高くなります。

一方、長期契約の自動車保険では、契約期間中の保険料は、契約のときに約束した金額になります。期間中に保険を使っても、等級ダウンによる保険料アップは起こりません。

もっとも、長期契約でも、保険を使うと翌年から等級ダウンになる仕組みの自動車保険があります(三井住友海上とか)。具体的なご検討に際しては、ご注意ください。

長期契約でも、契約期間の終了したら、事故による等級ダウンは反映されます。

長期契約の契約期間が終わったら、等級ダウン事故は、次の更新のときに影響します。その次も長期契約にしたとしても、2つの契約期間の間の更新のときに、等級ダウン事故は反映されます。

ちなみに、契約期間終了後の、最初の更新での等級は、以下のような算式で決まります。

等級+{契約年数ー(3等級ダウン事故件数+1等級ダウン事故件数)}ー(3等級ダウン事故件数×3+1等級ダウン事故件数×1)

複雑な算式ですが、たとえば、3年契約の1年目で3等級ダウン事故を起こしたときの、4年目の等級は、下のようになります。

経過年数 1年契約 3年契約
1年目(事故 10等級 10等級
2年目(等級ダウン) 7等級 10等級
3年目 8等級 10等級
4年目(長期契約満了) 9等級 9等級

どちらも、スタート時点は10等級です。

1年契約では

1年目に3等級ダウン事故を起こしたら、翌年(2年目)は3等級下がって7等級になります。

それ以降事故がなければ、毎年更新のたびに、1等級ずつ上昇します。

3年契約では

契約期間の3年間は、10等級のままです。しかも、2年目、3年目には、長期契約の割引が適用されます。

このように、契約期間中は、等級ダウン事故の影響がありません。

ただし、4年目の更新のときに、上の算式が使われて、等級ダウン事故が反映されます。この例では、1年契約と同じく、9等級からの再スタートです。

3等級ダウン事故後の、等級の推移のイメージ

長期契約でも、気軽に保険を使うのは危険です。

保険を使う事故を起こしたときは、1年契約より、長期契約の方が有利な取り扱いになっています。

とは言え、上で説明したように、契約期間後にはその影響を受けるので、事故を起こしても、保険を使うかの判断は、慎重でありたいです。

他人に損害を与えて、損害賠償しなければならないときに自動車保険を使うのは、止むを得ません。損害保険会社が、示談交渉をしてくれますし。

しかし、自分の車の軽いキズを修理するのに、自動車保険から何回も保険金を受け取っていたら、契約期間終了後の等級が、とんでもないことになります。

また、長期契約は、優良顧客(=事故を起こさないで保険を何年も続けてくれる加入者)を厚遇するための仕組みです。

事故をよく起こして、保険をちょいちょい使う人は、損害保険会社にとって優良顧客ではありません。

再び長期契約を希望しても、過去の事故を理由に、断られるかもしれません。

契約期間中に商品改定があっても、期間中はその影響を受けません。ただし、それがデメリットになることもあります。

長期契約の契約期間中に、損害保険会社が補償内容の変更や保険料率の改定をおこなっても、原則として契約期間中はその影響を受けません。

このことは、どんな改定かによって、メリットになったり、デメリットになったりします。

過去数年は、改定のたびに、保険料が値上がりしていました。若者の車離れなどのせいで、損保会社の収益が悪化傾向にあったからです。こういうときは、改定の影響を受けないことはメリットです。

ただし最近は、車の安全装備の進化のおかげで、保険料を値下げする例も増えてきました。改定で保険料率が切り下げられても、長期契約の期間中は、その恩恵を受けられません。

というように、商品改定の影響を受けないことが、長期契約のメリットなのかデメリットなのかは、一概には言えなくなっています。

長期契約にしたら、どのくらい保険料は安くなりますか?ダイレクト(ネット通販)型と同じくらいになりますか?

事故を起こさなければ、1年契約でも長期契約でも、保険料の差は無視できる程度です。

長期契約の販売に積極的なのが、楽天損保です。

そんな楽天損保の自動車保険『ASAP』を例に、1年契約と3年契約の保険料を、実際に比較しました。

40歳で15等級の人が、車両保険を付けたときの、3年間の年払い保険料です。無事故を前提に見積もりしました。

ちなみに、長期契約でも、通常は、年ごとに保険料が安くなります。

経過年数 1年契約 3年契約
1年目 75,210円 75,210円
2年目 73,170円 72,880円
3年目 71,350円 72,480円

1年目は同額。2年目は3年契約の方が安くなりましたが、3年目は逆に、1年契約の方が安くなりました。

意外なことに、これを見る限り、長期契約は、保険料の節約になっていません。楽天損保は、長期契約だからと言って、保険料の割引はやっていないようです。

長期契約が本当に割安なのか、見積もりして確認しましょう。

長期契約のありがたみを実感できるのは、事故を起こしたときです。

上の保険料比較は、無事故であることを前提としていました。

次に、上と同じ見積条件で、1年目に3等級ダウン事故を起こしたとして、保険料を試算しました。

経過年数 1年契約 3年契約
1年目(事故 75,210円 75,210円
2年目 108,990円 72,880円
3年目 106,100円 72,480円

3年契約の保険料は、無事故のときと同じです。事故の有無にかかわりなく、契約当初に決められた金額です。

一方、1年契約の方は、2年目の保険料がドーンと上がっています。事故による等級ダウンに加えて、この年から3年間は保険料が割り増しされるからです(事故あり係数適用期間)。

この試算だと、2~3年目は、1年あたり3万円以上も、長期契約の節約効果が出ています。

どうやら、事故を起こしたときこそ、長期契約のありがたみが、発揮されるようです。

長期契約でも、もとが代理店型の割高な価格設定なので、ダイレクト(ネット通販)型と比べると割高です。

参考までに、ダイレクト(ネット通販)型損保会社の一つ、セゾン自動車火災の商品『おとなの自動車保険』の保険料を、楽天損保と同じ条件で見積もりました。

下表は、両社の保険料比較です。

経過年数 セゾン
自動車火災
3年契約
(楽天損保)
1年目 51,660円 75,210円
2年目 49,960円 72,880円
3年目 48,270円 72,480円

同じような補償なのに、年に2万円以上もの差があります。代理店型とダイレクト(ネット通販)型との保険料の差は、こんなにも大きいです。

次に、1年目に3等級ダウン事故を起こしたときの、両社の保険料を比較しました。

経過年数 セゾン
自動車火災
3年契約
(楽天損保)
1年目(事故 51,660円 75,210円
2年目 78,660円 72,880円
3年目 76,040円 72,480円

さすがに、2~3年目はセゾン自動車火災の方が高くなりました。

それでも、セゾン自動車火災の3年間の合計は206,360円です。楽天損保の合計は220,570円なので、セゾン自動車火災の方が14,000円ほど安くなります。

保険料の節約を重視するなら、長期契約がある自動車保険を探すより、評判の良いダイレクト(ネット通販)型自動車保険を検討する方が、効果的です。

長期契約の自動車保険に加入したときに、契約期間の途中で解約して、他の自動車保険に切りかえることはできますか?

長期契約の自動車保険に加入しても、途中で解約して、他社の自動車保険に移行することは可能です。

長期契約だからといって、解約や他社への切り替えに関して、制約はありません。

このことを含めて、1年更新と比較して、長期契約にすることのデメリットはありません。気に入った自動車保険で、長期契約の取り扱いがあれば、そちらを選ぶことをおすすめします。

ダイレクト(ネット通販)型自動車保険の方が、長期契約にできる保険より、もっと大幅に保険料を下げられます。

ところで、ここ数年、損保各社は毎年のように保険料を改定しています。全体的な傾向としては保険料を値上げする方向ですが、一部値下げされることもあります。

ただ値上げするのでは、消費者からそっぽを向かれるかもしれないので、あわせて商品内容の見直しも図っています。

長期契約の自動車保険に加入してしまうと、ついつい情報への感度が低くなって、魅力ある他の自動車保険の存在を見過ごしてしまうかもしれません。

特に、保険料の節約に関心をお持ちであれば、ダイレクト(ネット通販)型自動車保険をあわせてご検討下さい。ダイレクト(ネット通販)型は、ほとんどが1年更新ですが、それでも、代理店型の長期契約より、保険料は大幅に安くなります。

なじみのない損保会社との契約がご不安でしたら、手始めに、以下の大手損保系列のダイレクト(ネット通販)型自動車保険をご検討下さい。

損保グループ 系列のダイレクト型
東京海上グルーブ
(東京海上日動)
イーデザイン損保
SOMPOグループ
(損保ジャパン)
セゾン自動車火災
MS&ADグループ
(三井住友海上、あいおいニッセイ同和)
三井ダイレクト損保

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自動車保険サイトの1社分の情報を入力すると、おもな自動車保険の保険料が図のように一覧表示されます。

その後、個々の自動車保険のホームページに移動して、さらに条件を変えて、試算をやり直すこともできます。

このサイトの利用者を対象としたアンケート調査によると、月々の保険料が平均して約25,000円安くなったそうです。

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