中古車に乗っていますが、修理代が心配です。自動車保険で準備したいのですが・・・

ご自分の車の修理代は、車両保険で準備できます。ただし・・・

ご自分の車の修理代は、車両保険で準備できます。もちろん、中古車でも、この保険に入ることができます。

ただし、車両保険に入ればすべて解決、というような単純なものではありません。

車両保険は、自動車保険を構成する保険の一つです。

自動車保険は、以下の4つの保険から構成されています。

  • 対人賠償保険(事故の相手の身体の損害を補償)
  • 対物賠償保険(事故の相手の所有物の損害を補償)
  • 人身傷害保険(こちらの心身その他の損害を補償)
  • 車両保険(こちらの車の損害を補償)

この4つの保険に、特約やサービスが組み合わさって、自動車保険ができています。

自動車保険は、4つの保険の組み合わせ

なお、多くの自動車保険で、対人賠償保険・対物賠償保険は加入必須になっています。一方、車両保険は、希望者のみ加入の保険です。

車がある程度以上古くなると、車両保険に加入できなくなります。

中古車でも、もちろん車両保険に入ることができます。ただし、車がある程度以上古くなると、加入を断られることがあります。

補償を引き受ける条件は、損保会社によって異なります。一般的には、ダイレクト(ネット通販)型の方が、条件は厳しいです。

代理店型自動車保険の場合、原則お断りでも、代理店経由で要望すると、引き受けることがあります。

代理店型の場合、代理店の担当者が直に車の状態や使用状況を確認できます。その心証が良ければ、損保会社本体に掛け合ってくれます。

ところで、補償を引き受けるかどうかの基準は自動車保険によって異なりますが、以下のどれかに当てはまると、はじかれる危険があります。

車両が古すぎる

型式や年式で弾かれることもあれば、初度登録年月(最初にナンバーを割り振られた年月)で弾かれることもあります。

保険会社のウェブサイトの見積もり機能で、車の型式を選択できないときは、この理由で弾かれている可能性が高いです。

車の時価額が低い

「時価額」とは、中古車市場で取引されている価格です。

車両保険の保険金額は、時価額をもとに設定されます。よって、時価額がゼロかゼロに近いと、保険として成立しなくなります。

加入する側にとっても、入る意味がなくなりますし・・・

車両料率クラスが高い

自動車保険では、モデルごとに「事故の起きやすさ」や「事故になったときの損害の大きさの見込み」を、数値化しています。

これが車両料率クラスで、保険料を決めるときに、参照される数値の一つです。

スポーツカーとか高級車は、そうした危険性が高いので、車両料率クラスが高くなります。

車両料率クラスが高くなると、保険料も高くなります。それどころか、車両料率クラスがある程度以上高くなると、車両保険の加入を断わられることがあります。

ちなみに、車両料率クラスは、損害保険料率算出機構という独立した組織が、統計を踏まえて算出しています。ただし、保険会社によっては、これをもとに、独自の車両料率クラスを算定しているようです。

車両保険の保険金額は、車の時価額までしか出ません。保険金で、修理代をまかなえない恐れがあります。

車両保険から出る保険金の金額は、実際にかかった修理代です。

ただし、この金額には上限があります。この上限額が、車両保険の保険金額です。

車両保険に入るとき、必ず保険金額を指定します。ただし、車の型式・年式によって、指定できる金額の幅が決まっています。

損保会社は、この金額の幅を、車両の時価相当額(その時点で、中古車市場で取引されている価格)をもとに決めています。

よって、車が古くなって、市場価格が低くなると、指定できる保険金額もだんだん低くなります。

たとえば、トヨタの「アクア」というモデルをサンプルに、車両保険で指定できる保険金額を試算したら、以下のようになりました。

  • 平成29年1月登録の車両 ・・・ 130〜170万円の範囲で指定できる。
  • 平成24年1月登録の車両 ・・・ 60〜80万円の範囲で指定できる。

「アクア」は人気車種なので、平均より値落ちしにくいですが、それでも5年で半分以下になっています。

年数がたつほど値落ちのペースは加速します。人気車種でも10年経てば、ゼロに近くなります。

つまり、車が古くなるほど、車両保険からでる保険金額も低くなります。修理代をまかなえなくなる恐れがあります。

ただし、車両保険に特約を付加することで、保険金額を上乗せできます。詳しくは、下で説明しています。

車両保険の保険料は高いので、コストパフォーマンスの見極めが大切です。

上で説明したように、自動車保険は、複数の保険とサービスの集合体ですが、その中でも、車両保険の保険料は高いです。

代理店型とダイレクト(ネット通販)型の、それぞれ売上高上位2社の自動車保険の、全体の保険料とそのうちの車両保険の保険料が占める割合を、下のグラフに表しました。

おもな自動車保険の保険料と、そのうちの車両保険の保険料の割合

上のグラフのはあくまでも一例です。補償内容を変更したり、特約を付加したら、車両保険の割合は変わります。

とは言え、車両保険を付けるか付けないかで、自動車保険の保険料が大きく変わることは、お分かりいただけると思います。

それだけに、預貯金の余裕とか、車両保険の保険金額とか、保険料とかを踏まえて、車両保険に入る入らないで、どちらがトクかを総合的に判断したいです。

保険料に関しては、以下で説明することも重要です。

車両保険を使うと、次回更新時に等級ダウンして、保険料がけっこう高くなります。

簡単に言うと、等級は、安全運転についてのドライバーの格付けみたいなものです。等級が高いほど、安全運転のドライバーと認められて、自動車保険の保険料が安くなります。

この等級は業界共通なので、他の自動車保険に移っても引き継がれます。

人生で初めて自動車保険に加入するときは、6等級からスタートします。そして、1年間保険を使わないで保険を更新すると、1等級アップします。

等級は、最高で20等級まであります。6等級と20等級の保険料を比べると、半額以下になります。

もし、自動車保険を使うと(保険からお金を受け取ると)、次の契約更新のときに、以下のいずれかになります。

  • 1等級ダウンして、保険料が上がる。さらに1年間保険料が割り増しされる。
  • 3等級ダウンして、保険料が上がる。さらに3年間保険料が割り増しされる。
  • 事故がなかったのと、同様に扱われる(1等級アップする)。

1年間または3年間の保険料割り増しは、事故あり係数適用期間と呼ばれます。等級ダウンするだけでも保険料は上がりますが、ペナルティとしてさらに割り増しされます。

下図は、現在13等級の人が、3等級ダウン事故を起こしたときの、等級の変化を表しています。

自動車保険の等級ダウンと事故あり係数適用期間のイメージ

いったん等級が下がると、上限の20等級になるまでは、事故を起こさなかったときより、保険料を多く払い続けることになります。

そうした保険料負担の増加分を合計すると、修理代を超えるかもしれません。

1等級ダウンか、3等級ダウンか、ノーカウント(等級ダウンなし)かは、事故の種類によって決まります。

1等級ダウン事故

以下のような原因で車が故障して保険を使うと、更新の時に1等級ダウンします。

  • 火災または爆発
  • 盗難
  • 騒じょうまたは労働争議に伴う暴力行為または破壊行為
  • 台風、竜巻、洪水、高潮またはその他の自然災害による水没・浸水
  • 落書またはいたずら等の契約自動車に対する直接の人為的行為
  • 飛来中または落下中の他物との衝突

これらの他に、偶発的な事故も、1等級ダウンになることが多いです。

1等級ダウン事故は、こちら側に過失はなくて、一方的に被害者だったり、巻き込まれた事故による故障が中心です。

3等級ダウン事故

車両保険を使ったとして、1等級ダウン事故にならなければ、ほぼ3等級ダウンになります。

こちらに過失のある事故で、車両保険を使ったら、ほぼ3等級ダウン事故になります。

ただし、「当て逃げ」も、3等級ダウン事故です。過失がなくても、3等級ダウンになります。

一般的には、車両保険を使ったら、3等級ダウンになる確率が高いようです。

ノーカウント事故

車両保険を使うと、原則として、1等級ダウンか3等級ダウンになります。

ただし、一部の自動車保険では、例外的にノーカウント事故になるケースがあります。

どんな自動車保険かというと、車両が走行できなくなったときの「応急処置費用」「運搬費用」「引取費用」を、車両保険の特約でカバーする自動車保険です。

これらの費用のために、車両保険の特約から保険金を受け取っても、等級ダウンになりません。

ちなみに、多くの自動車保険では、これらの費用はロードサービスから出ます。このタイプでも、もちろんノーカウント事故になります。

等級ダウンも、事故あり係数適用期間も、加算される

上で説明した等級ダウンや事故あり係数適用期間は、どちらも事故1件あたりです。

もし、次の更新までに複数回車両保険を使ったら、下がる等級数も、事故あり係数の適用期間も、その分加算されます。

また、事故あり係数適用期間が残っている間に、再び保険を使っても、期間は加算されます。

ただし、事故あり係数適用期間は、最大で6年までという上限があります。

古い車を大切に使っています。車の市場価格より高い修理代を、保険で準備する方法はありませんか?

多くの自動車保険が、車両保険の保険金額を上乗せする特約を、提供しています。

上に書いたとおり、車両保険から出る修理代は、原則として車の時価相当額までです。

ただし、多くの自動車保険が、全損(修理できないほど壊れたか、修理代が保険金額より高額になること)になったときに、保険金額を上乗せする特約を用意しています。

特約の名称は、保険会社によって異なります。車両超過修理費用特約とか、全損時修理費用特約とか、特約名に“超過修理”とか“全損時”が入っていることが多いです。

保険金額に上乗せする方法は、大きく3パターンあります。

おもな自動車保険の、保険金額を上乗せする特約を調べると、だいたい以下のいずれかのパターンになります。

  • 車両保険の保険金額に、保険金額の5%を上乗せする。ただし、10万円が限度。
  • 車両保険の保険金額に、保険金額の10%を上乗せする。ただし、20万円が限度。
  • 車両保険の保険金額の上限を50万円高くする。

保険金額の最大値で比較すると、3つめのパターンが、もっとも期待できます。

一方、「保険金額の○○%」というのは、保険金額の低い古い車では、あまり役に立たないかもしれません。

このタイプを選ぶときは、保険金額の5%とか10%がいくらになるのか、確認してから判断しましょう。

なお、主要な自動車保険の対応状況を、下表にまとめました(2019年1月時点)。社名が紺色が代理店型、赤茶色がダイレクト(ネット通販)型です。

あいおいニッセイ同和
全損時諸費用特約 保険金額の10%(下限10万円、上限20万円)が加算される。
車両超過修理費用特約 保険金額の上限が30万円増える。上の特約より、こちらが優先。
アクサダイレクト
車両全損時臨時費用補償特約 保険金額の5%(10万円限度)が加算される。
イーデザイン損保
車両全損時諸費用特約 保険金額の10%(20万円限度)が加算される。
AIG損保
車両臨時費用特約 保険金額の上限が50万円増える。
SBI損保
全損時諸費用保険金特約 保険金額の10%(20万円限度)が加算される。
共栄火災
車両超過修理費用補償特約 保険金額の上限が50万円増える。
セコム損保
車両超過修理費用特約 保険金額の上限が50万円増える。
セゾン自動車火災
車両全損修理時特約 保険金額の上限が50万円増える。
ソニー損保
なし
損保ジャパン
車両保険に標準装備 保険金額の10%(20万円限度)か10万円かの、高い方が加算。
チューリッヒ保険
車両保険に標準装備 保険金額の5%(10万円限度)が加算される。
東京海上日動
車両全損時諸費用補償特約 保険金額の10%(上限20万円、下限5万円詳細)が加算される。
車両全損時諸費用保険金倍額払特約 加算が、20%(上限40万円、下限10万円)に増える。
日新火災
車両超過修理費用特約 保険金額の上限が50万円増える。
三井住友海上
全損時諸費用特約 保険金額の10%(20万円限度)が加算される。ただし、保険金額100万円未満なら、一律10万円加算。
三井ダイレクト損保
なし
楽天損保
車両全損時臨時費用補償特約 保険金額の10%(20万円限度)が加算される。ただし、保険金額100万円未満なら、一律10万円加算。

全体的な印象としては、代理店型の方が手厚いようです。

車両保険の保険料は高いので、保険料を節約するならダイレクト(ネット通販)型です。

もともと、車両保険は保険料が高くなりやすいです。

保険金額を上乗せする特約を付加したら、保険料はさらに高くなります。

保険料を安くする方法

車両保険の保険料を節約する方法は4つあります。

  • 補償対象となる事故の範囲を狭くする。
  • 車両保険の保険金額をできるだけ低く設定する。
  • 免責金額を設定し、金額をできるだけ高くする。
  • もっと保険料の安い自動車保険に切りかえる。

4つのうち、上の3つに関しては、慎重に判断する必要があります。

というのは、事故の範囲を狭くしたり、保険金額を低くしたり、免責金額を設定すると、いざ事故が起こったときに、自腹を切ることになる可能性がそれだけ高くなります。

それぞれリスクがあるし、補償内容にかかわるので、補償プランの見直しが必要になるかもしれません。

それに比べると、4つめの方法には、リスクがありません。もちろん、品質が良くてお得な商品を見つける手間は発生しますが。

ダイレクト(ネット通販)型は、保険料を節約する、リスクの低い方法です。

なお、車両保険の入り方は、車両保険の入り方で、詳しく説明しています。

保険金額の上限が50万円アップできるダイレクト型は、この2つ。

保険金額を大きく上乗せできるのは、「保険金額の上限を50万円増やす」タイプの特約でした。

あいにくと、ダイレクト(ネット通販)型でこのタイプの特約を用意しているのは、以下だけです。

  • セコム損保
  • セゾン自動車火災

できるだけ保険金額を増やしたい方は、この2つをぜひ候補に加えてください。

自動車保険の無料一括見積りサービスはいくつかありますが、以下の理由で、こちらのサービスをおすすめします。

  • 1回入力すれば、複数の気になる自動車保険の見積りが、一気に作成されます。
  • 参加している保険会社数が多く、おすすめしたい自動車保険がすべて含まれています。
  • 『保険見直し本舗』(全国300店舗以上)を展開する株式会社ウェブクルーによるサービスなので、安心感がある。
  • サイトの利用はもちろん無料。
  • サイトは使いやすく、各損害保険会社とのつながりはスムーズ。

自動車保険サイトの1社分の情報を入力すると、おもな自動車保険の保険料が図のように一覧表示されます。

その後、個々の自動車保険のホームページに移動して、さらに条件を変えて、試算をやり直すこともできます。

このサイトの利用者を対象としたアンケート調査によると、月々の保険料が平均して約25,000円安くなったそうです。

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