ダイレクト型(ネット通販)の自動車保険について、わかりやすく解説します。

自動車保険には、販売方法による違いから、代理店型とダイレクト型の2タイプに分けることが出来ます。

【代理店型】 加入者 代理店 保険会社 【ダイレクト型】 加入者 保険会社

このページでは、ダイレクト型の自動車保険について解説します。

ダイレクト型(ネット通販)自動車保険は、どのくらい安いのでしょうか?

代理店型自動車保険と比べると、ダイレクト型(ネット通販)の方が、あきらかに安くなります。

代理店型自動車保険とダイレクト型自動車保険の、保険料平均を、6パターンの見積もり条件で比較したのが、下のグラフです。

代理店型自動車保険とダイレクト型自動車保険の、保険料の平均

ダイレクト型(ネット通販)が安くなるのは、経営コストが低いからです。

代理店型自動車保険は、全国の代理店で販売されています。下の表は、2つの損保会社の代理店数です(2024年3月末)。

東京海上日動 43,252店
日新火災 10,417店

代理店型自動車保険の保険料には、こうした代理店を維持するためのコストも含まれています。

逆に、ダイレクト型には、こうした代理店がないので(あっても少数なので)、保険料を安くすることが出来ます。

ダイレクト型(ネット通販)自動車保険は、補償やサービスが薄くはないのですか?

どの自動車保険であっも、補償・サービスに大きな違いはありません。

自動車保険の基本的な補償内容(=主契約)は、どの商品を選んでも、大きな違いはありません。

それを補強する特約・サービスには、商品による違いがあります。ただし、細かな違いであることが多いです。

【代理店型】 主契約 特約・サービス 【ダイレクト型】 主契約 特約・サービス ほぼ同じ

ダイレクト型は、消費者が補償プランを設計し、申込み手続きをします。そのため、わかりやすさを重視して、特約・サービスはシンプルであることが多いです。そのため、細かく比較すると、代理店型より機能が少ないです。

とは言え、一般的な消費者にとって、気にならない程度の差です。

サービスの品質でも、ダイレクト型が劣るわけではありません。

自動車保険は事故に備えて加入するので、なんと言っても事故対応の品質が重要です。

中立性の高い調査会社による、事故対応満足度ランキングをご覧ください。

J.D.パワーによる事故対応ランキング

国際的なマーケティング調査会社J.D.パワーによる、事故対応満足度調査です。

この調査の、過去2年間のランキングを、下表にまとめました。

赤字がダイレクト型(ネット通販)、青字が代理店型の損害保険会社です。

会社名 2024年 2023年
ソニー損保 1位 1位
イーデザイン損保 2位 6位
AIG損保 3位 3位
三井ダイレクト損保 4位 10位
SOMPOダイレクト 5位 9位
東京海上日動 6位 2位
三井住友海上 7位 5位
あいおいニッセイ同和 8位 7位
アクサダイレクト 9位 8位
損保ジャパン 10位 4位
SBI損保 11位 12位
チューリッヒ保険 12位 10位
  • セゾン自動車火災は、SOMPOダイレクトに商号変更しました。

好評か不評かと、ダイレクト型か代理店型かの区別とは、まったく関係ないように見えます

【補足説明】

2024年は大手損保4社(あいおいニッセイ同和、損保ジャパン、東京海上日動、三井住友海上)のすべてが順位を落としました。金融庁による行政処分の影響が出ているのかもしれません。

価格コムによる事故対応ランキング

価格コムの顧客満足度ランキングから、事故対応部門の順位をピックアップしました。

赤字がダイレクト型(ネット通販)、青字が代理店型の損害保険会社です。

会社名 2024年 2023年
日新火災 1位 2位
東京海上日動 2位 4位
ソニー損保 3位 3位
AIG損保 4位 1位
三井住友海上 5位 5位
あいおいニッセイ同和 6位 10位
SOMPOダイレクト 7位 圏外
イーデザイン損保 8位 9位
損保ジャパン 9位 7位
三井ダイレクト損保 10位 8位

J.D.パワーのランキングに比べると、代理店型のほうがやや優勢に見えます。

とは言え、ダイレクト型の中に高評価な会社もあれば、代理店型の中に低評価な会社もあります。

ダイレクト損保は、業務委託を有効活用しています。

事故が発生したときに対応してくれる損保会社の部隊を、損害サービス拠点と呼びます。

ダイレクト損保は、大手損保に比べると、損害サービス拠点数は少ないです。そこで働く従業員も少ないです。

下表では、東京海上日動(代理店型)とソニー損保(ダイレクト型)の、拠点数と従業員数とを比較しています。

東京海上日動 ソニー損保
従業員数 16,296人 1,518人
損害サービス拠点数 207ヵ所 25ヵ所

これだけ組織の大きさや人員数に差があると、ダイレクト損保がサービスをまともに提供できるのか不安になります。

ダイレクト損保は、外部の企業に業務委託することで、事故対応を円滑に進めています。

たとえば・・・

日本全国には、損害調査サービスを専門にしている会社がたくさんあります。上で名前を出した東京海上日動も、グループ内に東京海上日動調査サービス(株)という損害調査会社を持っています。

ダイレクト損保、そうした会社に業務委託しているようです。

外部委託は品質が心配、と考える人がいるかもしれません。

しかし、上の顧客満足度ランキングを見ると、心配することは無いようです。

ダイレクト損保は、歴史が浅く規模の小さな会社ばかりのようです。倒産の心配はありませんか?

ダイレクト損保はどこも、大きな企業グループに属しています。

ダイレクト損保が属している企業グループを下表にまとめました。

会社名 企業グループ等
アクサダイレクト フランスに本拠を置くAXAグループ。日本の大手損保より巨大。
イーデザイン損保 東京海上グループ(東京海上日動、日新火災)。
SBI損保 SBIグループ(ネット上で金融事業を多角的に展開)。
セコム損保 セコムグループ(国内最大の警護保障会社)。
SOMPOダイレクト SOMPOグループ(損保ジャパン)。
チューリッヒ保険 スイスに拠点を置くチューリッヒグループ。日本の大手損保と同格。
三井ダイレクト損保 MS&ADインシュアランスグループ(あいおいニッセイ同和、三井住友海上)。
楽天損保 楽天グループ。

補足説明

外資系の保険会社は、つぶれなくても、日本から撤退するリスクがあります。ただし、近年の例を見ると、加入者の損にならないように、計画的に撤退しています。

1年更新の自動車保険であれば、損保会社の経営状態をそんなに気にすることはありません。

損保会社が破綻したら、その後3ヶ月間は、損害保険契約者保護機構が保険金100%を保証してくれます。

3ヶ月が過ぎても80%までは保証してくれます。

1年更新の自動車保険なら、損保会社が破綻しても、大損をさせられるリスクは小さいです。

ダイレクト損保の経営破綻を、ことさらに不安視する必要はありません。

ダイレクト型(ネット通販)自動車保険のお勧め商品を、教えてください。

評判と安さのバランスが良い商品はこちらです。

幅広くお勧めできるのが、以下の商品です。

イーデザイン損保
  • 東京海上グループのダイレクト損保
ソニー損保
  • ソニーグループのダイレクト損保
  • ダイレクト型売上No.1
  • お勧めはキャッシュバックプラン
SOMPOダイレクト
  • SOMPOグループ(損保ジャパンなど)のダイレクト損保
  • 『おとなの自動車保険』が人気
三井ダイレクト損保
  • MS&ADグループ(三井住友海上など)のダイレクト損保

品質面で妥協して、保険料を節約するという選択肢もあります。

評判が良くない自動車保険だと、手続き中に、イライラさせられたり、不安にさせられるリスクが大きいです。それでも、保険金は契約通りに払ってくれます。

ですから、次のような考え方をされる人なら、安さ優先の自動車保険選びは“あり”です。

  • 保険料が安いのなら、多少のストレスは我慢する。
  • 疑問や不明なことがあれば、自分から働きかけて解決する。

品質面で好評とは言えないものの、安さを期待できるのが、以下の商品です。

SBI損保
  • SBIグループのダイレクト損保
  • 苦情は多いものの、重大なトラブルは少なそう
セコム損保
  • セコムグループのダイレクト損保
  • 他社商品より補償を削って安くできる
チューリッヒ
「ネット専用自動車保険」
  • 保険料は格安
  • 申込条件や手続きで、少し制限がある

自動車保険の無料一括見積りサービスはいくつかありますが、以下の理由で、こちらのサービスをおすすめします。

  • 1回入力すれば、複数の気になる自動車保険の見積りが、一気に作成されます。
  • 参加している保険会社数が多く、おすすめしたい自動車保険がすべて含まれています。
  • 『保険見直し本舗』(全国300店舗以上)を展開する株式会社ウェブクルーによるサービスなので、安心感がある。
  • サイトの利用はもちろん無料。
  • サイトは使いやすく、各損害保険会社とのつながりはスムーズ。

自動車保険サイトの1社分の情報を入力すると、おもな自動車保険の保険料が図のように一覧表示されます。

その後、個々の自動車保険のホームページに移動して、さらに条件を変えて、試算をやり直すこともできます。

このサイトの利用者を対象としたアンケート調査によると、月々の保険料が平均して約25,000円安くなったそうです。

読まれている記事
更新情報