代理店型の自動車保険について、わかりやすく解説します。

自動車保険には、販売方法による違いから、代理店型とダイレクト(ネット)型の2タイプに分けることが出来ます。

【代理店型】 加入者 代理店 保険会社 【ダイレクト型】 加入者 保険会社 インターネットなど

このページでは、代理店型の自動車保険について解説します。

自動車保険に代理店があることのメリットはなんですか?

代理店の窓口としての存在感はときとともに小さくなっています。

従来、代理店の重要な役割の一つは、顧客窓口としての機能でした。しかし、高齢の加入者を除くと、代理店の窓口としてのありがたみは大きく後退しています。

代理店型自動車保険でも、手続きの多くはネットで完結できるようになっています。

また、ネットでできない手続きでも、ほとんどは電話と郵送で完結できます。

代理店による提案がありがたいのは、自動車保険を初めたばかりの数年です。それから後は・・・

代理店は対面で相談にのってくれます。また、こちらの状況に合わせて提案してくれます。これらは、ダイレクト(ネット)型自動車保険にはないサービスです

ただ、こうした相談や提案がありがたいのは、自動車保険を初めたばかりの数年くらいです。なぜかというと、自動車保険の基本的な仕組みは、あまり変化していないからです。

近年は、デジタル技術の導入や自動運転車への対応などがおこなわれています。しかし、保険としての基本的な仕組みは、30年近く変わっていません。

損害保険会社にとって、代理店は必要不可欠な営業部隊です。

現在でも、自動車保険のシェアのほとんどを、代理店型自動車保険が占めています。下のグラフは、2023年度の市場シェアを表しています(ソニー損保調べ)。

ダイレクト型 9.6% 代理店型自動車保険 90.4%

保険料が安いダイレクト(ネット)型自動車保険が増えている現在でも、代理店を通して加入している人が圧倒的に多いです。

こうなっている理由は以下が考えられます。

代理店型が圧倒的に優勢な理由

  • 20等級の加入者が多く、代理店型であってもわりと安い。
  • 特に不満がないので、昔に加入した自動車保険を継続している人が多い。
  • ネットで見積もり・申込することに、不安や面倒さを感じる人が、今でも多い。
  • ダイレクト(ネット)型は、品質の面でまだ幅広い信頼を勝ち得ていない。。

代理店型自動車保険は、保険料が高いそうですね。

代理店の経営コストが保険料に加算されるので、代理店型自動車保険は保険料が高くなります。

7パターンの年齢と等級の組み合わせで、代理店型とダイレクト(ネット)型の年払い保険料の平均を比較したのが、下のグラフです。

ダイレクト型 代理店型 10万円 5万円 0 21歳 7等級 26歳 7等級 35歳 10等級 45歳 17等級 55歳 20等級 65歳 20等級 75歳 20等級

代理店型自動車保険に入っていながら、ダイレクト(ネット)型並みのサポート(ネット、電話、郵送のみでのサポート)しか受けていないとしたら、高い保険料がもったいないかもしれませんね。

コスパを考えると、代理店型自動車保険をお勧めできるのは、20%以上の団体割引の保険料で加入できる方々です。

勤務先・組合・OB会などの団体を通じて加入すると、団体割引が適用されて、通常より安く加入できます。

割引の大きさは団体によって異なります。割引率が20%を超えるなら、価格競争力はダイレクト(ネット)型自動車保険に負けません

20%以上の団体割引を受けられる方々なら、代理店型自動車保険でもコスパに期待できます。

代理店型自動車保険は、補償やサービスの品ぞろえや品質が優れているのですか?

代理店型でもダイレクト(ネット)型でも、基本的な補償・サービスは共通しています。ただし、細々とした機能は、代理店型のほうが手厚いです。

自動車保険の基本的な補償内容(=主契約)は、どの商品を選んでも、大きな違いはありません。

それを補強する特約・サービスには、商品による違いがあります。ただし、細かな違いであることが多いです。

【代理店型】 主契約 特約・サービス 【ダイレクト型】 主契約 特約・サービス ほぼ同じ

ダイレクト(ネット)型自動車保険は、代理店等によるサポートがないので、シンプルさとわかりやすさが重視されています。

一方、代理店型自動車保険は、代理店のサポートがあるので、少々複雑になっても、機能が盛り込まれています。

代理店が提供するサービスを除くと、品質の面で代理店型が優れているとは限りません。商品しだいです。

中立性の高い調査会社による、事故対応満足度ランキングをご覧ください。

J.D.パワーによる事故対応ランキング

国際的なマーケティング調査会社J.D.パワーによる、事故対応満足度調査です。

この調査の、過去2年間のランキングを、下表にまとめました。

赤字がダイレクト(ネット)型、青字が代理店型の損害保険会社です。

会社名 2024年 2023年
ソニー損保 1位 1位
東京海上ダイレクト 2位 6位
AIG損保 3位 3位
三井ダイレクト損保 4位 10位
SOMPOダイレクト 5位 9位
東京海上日動 6位 2位
三井住友海上 7位 5位
あいおいニッセイ同和 8位 7位
アクサダイレクト 9位 8位
損保ジャパン 10位 4位
SBI損保 11位 12位
チューリッヒ保険 12位 10位
  • セゾン自動車火災は、SOMPOダイレクトに商号変更しました。
  • イーデザイン損保は、東京海上ダイレクトに商号変更しました。

好評か不評かと、ダイレクト(ネット)型か代理店型かの区別とは、まったく関係ないように見えます

価格コムによる事故対応ランキング

価格コムの顧客満足度ランキングから、事故対応部門の順位をピックアップしました。

赤字がダイレクト(ネット)型、青字が代理店型の損害保険会社です。

会社名 2025年 2024年
ソニー損保 1位 3位
日新火災 2位 1位
東京海上日動 3位 2位
三井住友海上 4位 5位
アクサダイレクト 5位 3位
損保ジャパン 6位 9位
SOMPOダイレクト 7位 7位
AIG損保 8位 4位
東京海上ダイレクト 9位 8位
共栄火災 10位 6位

代理店型であっても、好評な会社もあれば、不評な会社もあります。

ただし、このランキングでは、代理店型のほうがやや優勢に見えます。

これから代理店型自動車保険を検討されるなら、代理店が便利な立地にあるかも要チェックです。

代理店型自動車保険のメリットの一つは、代理店によるきめ細かいサービスを受けられることです。

これから代理店型への加入を検討されるなら、代理店数が多い会社のほうが、良い代理店に出会える可能性が高くなります。

参考までに、東京海上日動の代理店数を、いくつかの企業の店舗数と比較しました(2023年度末)。

東京海上日動 44,761店
日新火災 10,549店
郵便局 23,645局
セブンイレブン 21,402店

お勧めの代理店型自動車保険はありますか?

なじみの代理店が無いのなら、損害保険会社が紹介してくれます。大手損保のほうが、優良代理店が近くにある確率は高くなります。

以下は、大きな代理店ネットワークを擁する大手損保であり、大手損保の中でも評判が安定して良好です。

お勧めの代理店型

  • 東京海上日動
  • 三井住友海上

信頼できる代理店をご存知で、そこから加入するつもりなら、その代理店に提案してもらってください。

大手損保には、系列のダイレクト損保があります。ダイレクト(ネット)型自動車保険の入門として適しています。

大手損保はどこも代理店型ですが、将来を見すえて、グループ内にダイレクト損保を持っています。

こうしたダイレクト損保は、実質的に、それぞれのグループのネット通販部門を担っています。

大手損保系列のダイレクト損保

  • 東京海上ダイレクト
    (東京海上グループ)
  • SOMPOダイレクト
    (SOMPOグループ)
  • 三井ダイレクト損保
    (MS&ADグループ)
もう何年も代理店の担当者と対面してなければ、ダイレクト(ネット)型に加入しているのと大差ありませんよ。

自動車保険の無料一括見積りサービスはいくつかありますが、以下の理由で、こちらのサービスをおすすめします。

  • 1回入力すれば、複数の気になる自動車保険の見積りが、一気に作成されます。
  • 参加している保険会社数が多く、おすすめしたい自動車保険がすべて含まれています。
  • 『保険見直し本舗』(全国360店舗)を展開する株式会社ウェブクルーによるサービスなので、安心感がある。
  • サイトの利用はもちろん無料。
  • サイトは使いやすく、各損害保険会社とのつながりはスムーズ。

自動車保険サイトの1社分の情報を入力すると、おもな自動車保険の保険料が図のように一覧表示されます。

その後、個々の自動車保険のホームページに移動して、さらに条件を変えて、試算をやり直すこともできます。

このサイトの利用者を対象としたアンケート調査によると、月々の保険料が平均して約25,000円安くなったそうです。

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