人身傷害保険は必要なのでしょうか?

人身傷害保険はとても多機能です。

人身傷害保険は、1998年に発売された、自動車保険の中では新しい保険です。それだけに多機能です。

ケガの治療費だけでなく、死亡保険金、休業補償(治療中の収入の補償)、慰謝料などもカバーしています。

生命保険・医療保険に入っている人には、無くてもいい保険です。

人身傷害保険の補償内容は、生命保険や医療保険と重複します。

ただし、完全に重複するわけではなく、重複する部分としない部分に分かれます。下表に整理しました。

機能 人身傷害保険 医療保険 生命保険
交通事故 入院 ×
通院 × ×
休業補償 × ×
慰謝料 × ×
死亡 ×
その他のケガ 入院 × ×
通院 × × ×
死亡 × ×
病気 入院 × ×
通院 × × ×
死亡 × ×

要するに・・・

人身傷害保険にしかない機能があるので、すでに生命保険・医療保険に入っている人でも、人身傷害保険に入る意味はあります

しかし、どうしても人身傷害保険がほしい、というほどではありません。

人身傷害保険を外すことに、こだわるべきではありません。

現状で、過半数の自動車保険が、人身傷害保険を自動セットしています。

そのせいもあってか、人身傷害保険の加入率はとても高いです。

人身傷害保険の加入率

92.8%

こんな状況下で、人身傷害保険を外すことにこだわると、商品の選択肢がせまくなりすぎて、かえって損をしかねません。

ときどき搭乗者傷害保険という保険を見かけます。人身傷害保険との違いは何ですか?

新型=人身傷害保険、旧型=搭乗者傷害保険、という関係です。

人身傷害保険は、1998年に発売された新しい保険です。それ以前は、搭乗者傷害保険だけでした。

新しいだけあって、人身傷害保険の方が高機能です。
それぞれの補償範囲を下表に整理しました。

人身
傷害保険
搭乗者
傷害保険
死亡保険金
ケガの治療費
休業補償 ×
慰謝料 ×
保険金額 損害の実費が出る。 決まった金額が出る。

細かく比較すると、搭乗者傷害保険の方が優れている点もあります。

とは言え、どちらかを選ぶとなると、人身傷害保険の方が優れています。

搭乗者傷害保険は、滅びゆく保険です。

搭乗者傷害保険の機能を人身傷害保険に吸収させて、搭乗者傷害保険を廃止する商品が増えています。

2024年において、おもな代理店型自動車保険は、ほぼ搭乗者傷害保険を廃止し終えています。

ダイレクト型自動車保険の方は、まだ過半数が搭乗者傷害保険を残していますが、いずれ無くなると予想されます。

これから自動車保険を始めるなら、人身傷害保険を選んで、早く慣れるほうがいいかもしれませんね!

人身傷害保険に入るときに、気をつけることはありますか?

意識していただきたいことが3つあります。

人身傷害保険に入るときに、特に意識していただきたいのは、次の3つです。

人身傷害保険の3つのポイント

  • 補償される事故の範囲の指定
  • 保険金額の指定
  • 定額一時金の補償を付けるか?

以下で順に補足説明します。

補償される事故の範囲

人身傷害保険で補償してもらう事故の範囲を指定することが出来ます。範囲をせまくすると、保険料が安くなります。

ほとんどの商品で、「(契約している車の)車内のみの補償」か「車内外の補償」のどちらかを選ぶようになっています(名称は、商品によってけっこう違います)。2つの違いを下にまとめました。

車内のみ補償 車内外の補償
契約車両での事故
他の車に乗車中の事故 ×
歩行中や自転車での事故 ×

原則として、「車内のみ補償」を選んでください。

ご自身のライフスタイルや、お住いの地域の道路事情などから、補償を広げたくなったら、「車内外の補償」にしましょう。

保険金額

人身傷害保険で指定する保険金額は、保険から出る上限の金額です。

生命保険に入っているなら

保険金額は、選べるもっとも低い金額にしてください。それでも、2000万円か3000万円になるので、死亡保障としては十分すぎます。

生命保険に入ってないなら

運転する人が亡くなったときにほしい金額を指定してください。

保険会社は無制限とか億単位の金額を勧めるかもしれませんが、ご自身で判断してください。

亡くなったときに保険金が必要なら、人身傷害保険より優先して、生命保険をご検討ください。

人身傷害保険は交通事故のときしか使えません。現代の日本人が交通事故で亡くなる確率は、実はかなり低いです。

生命保険なら、病気・ケガを問わず、亡くなったら保険金が出ます。

定額一時金の補償を付けるか?

人身傷害保険から出る保険金は、(上限までの範囲内で)実際の損害額です。

ということは、保険金が出るのは、損害額が確定した後(=治療終了後)になります。

もし、もっと前の時点で、いくらか保険金を受け取りたいなら、定額一時金の補償を付けておきたいです。

たとえば

三井住友海上の自動車保険なら、人身傷害保険に傷害一時金特約を付けておくと、5日未満の入通院で1万円、5日以上の入通院で10万円の一時金が出ます。

治療中でも請求できるので、治療が長引くときはありがたいです。

補足説明

商品によっては、定額一時金の補償は自動セットされています。

また、商品によっては、搭乗者傷害保険という、別の保険の形をとっています。実質的な機能はほぼ同じです。

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その後、個々の自動車保険のホームページに移動して、さらに条件を変えて、試算をやり直すこともできます。

このサイトの利用者を対象としたアンケート調査によると、月々の保険料が平均して約25,000円安くなったそうです。

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