《運転者の範囲》と《年齢条件》を指定することに、どういう意味があるのですか?

《運転者の範囲》や《年齢条件》は、保険料を決めるために必要な情報であり、嘘・誤りがあると責任を問われる告知事項です。

保険料は、自動車事故の発生率よって決まります。発生率が低いほど、保険料は安くなります。

そして、《車種》と《運転者の範囲》は、自動車事故の発生率に影響がある項目です。

これらの項目は、告知事項と呼ばれます。嘘・誤りがあると告知義務違反になって、保険金が出なかったり、場合によっては契約を解除されます

《運転者の範囲》と《年齢条件》を指定するときに、気をつけることは、なんでしょうか?

《運転者の範囲》と《年齢条件》は、保険料に大きく影響します。せまくするほど安くなるので、あわせて、車の使い方も検討しましょう。

《運転者の範囲》と《年齢条件》を組み合わせて、対象範囲をせまくすることで、保険料は安くなります。ただし、実際の使い方と食い違うと告知義務違反実際になってしまいます。

ときには、保険料を下げるために、車の使い方を考え直したほうが良いかもしれません。

自動車保険の等級と事故歴

以下のような選択肢が用意されていて(商品によって細かな違いはありますが)、そこから選ぶようになっています。

運転者の範囲

  • なし(誰であっても補償される)
  • 家族限定
  • 本人・配偶者限定
  • 本人限定

下の選択肢ほど保険料が安くなります。

年齢条件

  • 全年齢
  • 21歳以上
  • 26歳以上
  • 30歳または35歳以上

下の選択肢ほど保険料が安くなります。

特に、保険料への影響が大きいのは、《年齢条件》です!

一般的に、《運転者の範囲》と《年齢条件》とでは、《年齢条件》の方が、保険料への影響は大きくなります。

とくに《年齢条件》の指定の影響を大きく受けるのは、10代〜30代前半です。下のグラフのように、年代による事故発生率の変化が大きいからです。

年代別の事故発生率

図は、原付以上の運転者の、年齢層別事故発生率のグラフです。

年齢層別、交通事故発生率のグラフ

警察庁『平成27年における交通事故の発生状況』からの引用です。

親の自動車保険に、10〜20代の同居する子どもを含めると、保険料は大幅に高くなります。

実際に、ソニー損保で保険料をシミュレーションしました。50代の夫婦の自動車保険に、同居の子どもを含めたときの保険料です。

運転する人 保険料
(年払い)
両親 49,490円
両親 + 20歳の子 145,090円
両親 + 26歳の子 54,880円
両親 + 30歳の子 52,620円

別居している子供は、自動車保険では「家族」とはみなされません。ですから、上の説明は当てはまりません。

ごくたまに、他の人が運転します。《運転者の範囲》《年齢条件》をどう指定すればよいですか?

車を借りる人の自動車保険に、他車運転特約が付いていたら、その人の自動車保険で補償されます。

最近の自動車保険には他車運転特約が自動セットされています。

ですから、自分で自動車保険に入っている人に車を貸すときは、こちらの保険を使う必要はありません。

車を貸すたびに契約内容変更をする(一時的に運転する人も補償されるようにする)、という方法もあります。

車を貸す期間があらかじめわかっているときは、自動車保険の契約内容変更手続きをおこなうことができます。

ダイレクト(ネット)型はもちろん、代理店型でも、電話やネットで手続きできるようになっています。ほとんどの商品で、前日まで手続きをすれば、間に合います。

同居する子に貸すとき

50代の親の保険の補償範囲に、一時的に20歳の子供を含めるときの指定方法です。

運転者の範囲 年齢条件
ふだん 夫婦限定 30歳(または35歳)
以上
貸出中 家族限定
(または限定なし)
全年齢

別居の未婚の子に貸すとき

50代の親の保険の補償範囲に、一時的に20歳の子供を含めるときの指定方法です。

もともと《年齢条件》は、同居する運転者を対象にしています。別居の子は無関係なので、指定の変更は不要です。

運転者の範囲 年齢条件
ふだん 夫婦限定 30歳(または35歳)
以上
貸出中 家族限定
(または限定なし)
30歳(または35歳)
以上

別居の既婚の子に貸すとき

50代の親の保険の補償範囲に、一時的に20歳の子供を含めるときの指定方法です。

別居する既婚(=婚歴がある)の子供は、「家族」には含まれません。

また、もともと《年齢条件》は、同居する運転者を対象にしています。別居の子は無関係なので、指定の変更は不要です。

運転者の範囲 年齢条件
ふだん 夫婦限定 30歳(または35歳)
以上
貸出中 限定なし 30歳(または35歳)
以上

この手続きをすると、その期間の分の保険料は高くなります。終わったら、契約内容を忘れずにもとに戻しましょう。

車を借りる人が1日自動車保険に加入する、という方法もあります。ただし、あまり経済的ではありません。

1日自動車保険は、大手損保(東京海上日動、損保ジャパン、三井住友海上、あいおいニッセイ同和)などが販売しています。

1日自動車保険のメリット

  • 事前登録しておけば、スマホで手続きが完結する。
  • コンビニでも加入できる。
  • 当日でも加入できる。

《運転者の範囲》と《年齢条件》を指定しましたが、もっと保険料を下げたいです。他にできることはありますか?

代理店型自動車保険に加入している方は、ダイレクト(ネット)型に乗り換えることで、保険料をもっと節約できます。

例として、55歳夫婦の自動車保険(19等級、車両保険あり)に、20歳の子供を含めたときと、含めないときとで、年払い保険料をシミュレーションしました。

青字がダイレクト(ネット)型、赤字が代理店型、黒が共済です。

保険会社 子ども
なし
子ども
あり
東京海上ダイレクト 48,060円 124,440円
ソニー損保 59,150円 177,320円
SOMPOダイレクト 44,390円 103,270円
損保ジャパン 70,700円 185,790円
東京海上日動火災 64,070円 161,600円
こくみん共済coop 42,680円 112,590円

こくみん共済coopはマイカー共済という名称の自動車共済を販売しています。補償内容は自動車保険と同等です。

以下でご案内している一括見積りサービスで、自動車保険と比較できます。

自動車保険の無料一括見積りサービスはいくつかありますが、以下の理由で、こちらのサービスをおすすめします。

  • 1回入力すれば、複数の気になる自動車保険の見積りが、一気に作成されます。
  • 参加している保険会社数が多く、おすすめしたい自動車保険がすべて含まれています。
  • 『保険見直し本舗』(全国360店舗)を展開する株式会社ウェブクルーによるサービスなので、安心感がある。
  • サイトの利用はもちろん無料。
  • サイトは使いやすく、各損害保険会社とのつながりはスムーズ。

自動車保険サイトの1社分の情報を入力すると、主な自動車保険の保険料がすぐにわかります。

図のように一覧表示されます(後ほどメールで知らせてくる自動車保険もあります)。

その後、個々の自動車保険のホームページに移動して、さらに条件を変えて、試算をやり直すこともできます。


このサイトの利用者を対象としたアンケート調査によると、月々の保険料が平均して約25,000円安くなったそうです。

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