対人賠償保険・対物賠償保険の、保険料を安くする入り方を解説します。
対人賠償保険、対物賠償保険は、自動車保険を構成する保険です。どちらも、事故で他人に損害を与えたときに使える保険です。
このページでは、対人賠償保険と対物賠償保険の、保険料を安くする入り方について解説します。
対人賠償保険、対物賠償保険は、自動車保険を構成する保険です。どちらも、事故で他人に損害を与えたときに使える保険です。
このページでは、対人賠償保険と対物賠償保険の、保険料を安くする入り方について解説します。
対人賠償保険は、ほとんどの個人向け・家庭向け自動車保険で自動セットされ、保険金額は「無制限」一択になっています。
対人賠償保険の保険料を下げるなら、保険料の安い商品に乗り換えるしかありません。
補足説明
代理店型の損保会社の多くは、個人向けの自動車保険と、個人&法人向けの自動車保険とを販売しています。後者ですと、対人賠償保険を外すことができます。
対物賠償保険の保険料を下げる方法には、以下があります。ただし、できる商品とできない商品があります。
| 対物賠償保険の保険料を下げる方法 |
|---|
|
以下で具体的に説明します。
ほとんどの損保会社は、対物賠償保険の保険金額を「無制限」にすることを推奨しています。
物損事故でも、相手の損害が高額になることがあるからです。下表はその例です。
| 判決 | 被害物件 | 裁判で認定された
損害額 |
|---|---|---|
| 2011年12月 | トレーラー | 1億1,798万円 |
| 2011年11月 | 店舗 | 2,221万円 |
| 2008年5月 | 積荷 | 4,141万円 |
| 2004年1月 | 貨物車・積荷 | 3,391万円 |
実際、対物賠償保険に入っている人のほとんどが、保険金額を「無制限」にしています。以下は2023年度の実績です。
実際には、「無制限」以外を指定して、保険料を下げられる商品は少なくありません。
ソニー損保の自動車保険で、実際にシミュレーションしました。35歳17等級の人が、対物賠償保険の保険金額を下げたときの、保険料の下げ幅(「無制限」との比較)を下にまとめました。
| 保険金額 | 年払い保険料の下げ幅 |
|---|---|
| 5,000万円 | -490円 |
| 1,000万円 | -1,020円 |
保険金額を下げても、値下げの効果は意外と小さいです。それにもかかわらず、相手の損害が高額になったときのリスクが大きいです。
お勧めできません!
免責金額を指定すると、対物賠償保険を使うときでも、免責金額までは自腹を切ることになります。そのかわりに、保険料を安くできます。
免責金額を設定しても、保険金額の上限は「無制限」のままなので、高額の損害賠償には対応できます。
セコム損保の自動車保険で、実際にシミュレーションしました。35歳17等級の人が、対物賠償保険に免責金額を設定したときの、保険料の下げ幅(免責金額ゼロとの比較)を下にまとめました。
| 免責金額 | 年払い保険料の下げ幅 |
|---|---|
| 5万円 | -3,090円 |
| 10万円 | -5,650円 |
| 20万円 | -9,220円 |
無理のない免責金額を設定することで、保険料負担を効果的に軽くできます。
補足説明
ダイレクト(ネット)型自動車保険で、免責金額を設定できる商品は、今のところセコム損保だけです。
逆に言うと、免責金額を設定できることが、セコム損保の最大の魅力かもしれません。
事故で他人の車をこわした場合、対物賠償保険で弁償できるのは、その車の時価額(中古車市場での取引額)が上限です。
なぜかと言うと、弁償するのは時価額までで良いと、法律や判例で決まっているからです。
ただし・・・
相手の車が古くて時価額が低いと、保険金が少なすぎてトラブルになる恐れがあります。
そこで、対物超過特約です。この特約を付けておくと、対物賠償保険の保険金が足りないときに、最大で50万円を上乗せしてもらえます。
法律に定められている以上の責任を負わされるのは、スッキリしないですね。でも、事故の後始末をスムーズに、そして速やかに進められるのなら、その方がいいかもしれませんね・・・
自動車検査登録情報協会『わが国の自動車保有動向』によると、2024年の乗用車の平均使用年数は・・・
乗用車の平均使用年数
13.32年
つまり、時価額が安い車が、大量に走行していることになります。
対物超過特約は、トラブル防止に役に立ちそうです。