自動車保険を検討するときに、事故対応を、どのくらい重視すれば良いですか?

自動車保険の品質を判断するときに、もっとも重要なのが事故対応の品質です。

自動車保険は民間の損保会社の商品ですが、公共性が強い保険なので、基本の仕組みはどれも似通っています。

他社の自動車保険に切り替えるときに、等級をそのまま引き継げるのは、その表れです。

商品ごとの補償の違いが出るのは、特約とかサービスなどです。

その中でも、特に重視したいのが、サービスの一つである事故対応です。

事故対応の品質とは、パンフレットやウェブサイトなどで説明されている補償が、

どの程度の品質(迅速さ、親切さ、わかりやすさ等)で提供されるのか

ということです。

サービスと言われると、オマケ機能のように思えるかもしれません。しかし、事故対応の品質は、自動車保険の品質の中心です。

事故対応の品質は、そのサービス内容と、それに対する評判・口コミ情報で判断しましょう。

自動車保険の事故対応を判断するには、2つの切り口があります。

  • 事故対応のサービス内容
  • 事故対応の評判・口コミ

事故対応には、事故受付〜初期対応〜示談交渉〜保険金支払いと、たくさんのステップがあります。

そのうちの、何を引き受けてくれるかで、サービス内容の違いが出ます。

これについては、自動車保険のパンフレットなどを細かくチェックすると、そこそこ詳しく説明されています。

このページでは、これらについて詳しく採り上げます。

次に、パンフレット等で約束されているサービスが、どのくらい誠実に実施されているのか、利用者がどのくらい満足しているかを、チェックしておきたいです。

その情報源になるのが、評判・口コミ情報です。

詳しいことは、事故対応の評判・口コミ・ランキングでご案内しています。

事故対応サービスの内容は、損保会社によってどのくらい違いますか?パンフレット等を見比べても、わかりにくいです・・・

おもな自動車保険の、事故対応の特長を整理して、一覧できるようにまとめました。

損保各社の、事故対応サービスの品質は、客観性の高い口コミ情報をもとに判断したいです。

ただ、品質を比較する前に、損保会社毎のサービスメニューの違いを知っておきたいです。

以下のサービスは、すべての損保会社が提供しています。

  • 24時間365日の事故受付
  • 示談交渉
  • 事故発生から保険金支払いまでの相談・報告・連絡

損保会社によっては、これら以外にも、事故対応に関わるサービスを用意しています。

下表にまとめました。

なお、社名が茶色なのが代理店型、緑色がダイレクト(ネット通販)型です。

損害保険会社 事故対応、特色あるサービス
あいおいニッセイ同和
  • 24時間365日当日初期対応
  • 事故・トラブル通報用スマホアプリ「サポNAVI」
  • ドライブレコーダーによる自動通報(希望者に有料)
アクサダイレクト
  • 当日初期対応は、19時までに受け付けた案件
  • 事故経過WEB照会
イーデザイン損保
  • 24時間365日当日初期対応
  • セコム事故現場急行サービス(24時間365日、無料で事故現場へ急行しサポート)
  • 重傷事故時の対面相談サービス
  • 東京海上グループの全国ネットワーク
AIG損保
  • 24時間365日当日初期対応
  • 事故現場で、事故の相手に電話で今後の対応を説明(「ミューズ」加入者)
  • 事故受付完了から1時間以内に初期対応状況を報告(「ベリエスト」加入者)
  • 希望者にはご自宅訪問(「ベリエスト」加入者)
SBI損保
  • 当日初期対応は、平日19時・休日17時までに受け付けた案件
  • 希望者への訪問サービス
共栄火災 当日初期対応は、20時までに受け付けた案件
セコム損保
  • 初期対応は原則として事故受付翌日まで(対応後に電話報告)
  • セコム事故現場急行サービス(24時間365日、無料で事故現場へ急行しサポート)
SOMPOダイレクト
  • 当日初期対応は、原則20時までに受け付けた案件
  • ALSOK事故現場安心サポート(24時間365日、無料で事故現場へ急行しサポート)
  • 損保ジャパンの全国ネットワーク
ソニー損保
  • 当日初期対応は、20時までに受け付けた案件
  • セコム事故現場かけつけサービス(24時間365日、無料で事故現場へ急行しサポート)
損保ジャパン
  • 24時間365日当日初期対応
  • 特約により、ALSOKかけつけ安心サービス(24時間365日、無料で事故現場へ急行しサポート)
  • 特約により、ドライブレコーダーによる損保会社等への自動通報
チューリッヒ保険
  • 当日初期対応は、20時までに受け付けた案件
  • 重大事故でのスタッフ訪問サポート
東京海上日動
  • 24時間365日当日初期対応
  • スマホアプリ「モバイルエージェント」にて事故通報
日新火災 24時間365日当日初期対応
三井ダイレクト損保
  • 当日の初動対応・報告は19時まで。
  • 希望者に訪問サービス(平日・休日21時まで)
  • 三井住友海上・あいおいニッセイ同和と提携
三井住友海上
  • 24時間365日当日初期対応
  • 希望者に「入院まごころ訪問」
  • 特約により、専用ドライブレコーダーにより損保会社へ自動通報
  • ウェブ上での事故連絡・経過確認
楽天損保
  • 24時間365日当日初期対応
  • 楽天損保GPS位置情報サービス
  • セゾン自動車火災は、SOMPOダイレクトに商号変更しました。

事故連絡の受付は、どこも24時間365日やっていますが、その後の初期対応では違いが出ます。

共栄火災以外の代理店型は、初期対応も24時間365日やっています。

一方、ダイレクト(ネット通販)型で、24時間365日初期対応するのはイーデザイン損保だけです。

それ以外は、受付時刻によって、当日に対応するか翌日に回すかが分かれます。

また、5つの損保会社が、事故現場に駆けつけるサービスを提供しています。詳しいことは下で説明しています。

その他では、大手代理店型損保が、ドライブレコーダーを活用したサービスを開始しているのが、目を引きます。

ダイレクト(ネット通販)型損保を評価するときに、実はそれほど重要ではないことが、いくつかあります。

上表は、損害保険会社がアピールしていることをまとめたものです。

ただし、利用者によっては、それほど重要ではないこともあります。

当日初期対応は、決定的なポイントではない

大手の代理店型損保会社は、いつ事故の連絡を受けても、365日24時間初期対応をおこないます。

それに対して、ダイレクト(ネット通販)型自動車保険のほとんどは、所定の時刻までに受け付けた分は、当日に初期対応をおこない、それ以外は翌日以降の対応になります。

ダイレクト(ネット通販)型の事故対応を比較するとき、当日初期対応の範囲の広さは、チェックポイントの一つです。

初期対応とは、だいたい以下を指します。

  • 損保会社から、事故の相手方へのあいさつ。
  • 医療機関、修理工場、レンタカー業者などの手配・連絡。
  • 示談交渉に向けて、必要な情報収集。

このうち、一番上の、事故の相手方へのあいさつは、少しでも早いほうが良いです。

損保会社が窓口になることをはっきりと示すことは、相手にとって安心感につながると同時に、トラブルの防止にもなります。

しかし、それ以外の2点は、損保会社の初期対応の早い遅いに関係なく、わたしたち自身でやる可能性が高いです。

けが人がいれば、そのまま放置できません。救急車を呼んで救急病院に運んでもらいます。

また、車が走行できなければ、ロードサービスが365日24時間対応してくれます。

示談交渉に向けての情報収集も、損保会社が事故現場に駆けつけてやってくれるわけではありません。

損保会社から指示や助言はありますが、やるのは事故現場にいるわたしたち自身です。

そして、必要な指示・助言は、損保会社の事故連絡受付担当者がやってくれます。わざわざ、損保会社からの折り返しの連絡を待つまでもありません。

また、初期対応は手配・連絡が中心ですが、どれも相手があることです。遅い時間になるほど相手と連絡を取りづらくなって、できることは少なくなります。

結果的に、当日の夜間でも翌日の朝でも、実質的な差はないかもしれません。

というように、初期対応は早いに越したことはありませんが、個別に突き詰めていくと、

初期対応が当日か翌日かの違いより、対応の丁寧さ・親切さ・信頼感といった中身のほうが大切です。

初期対応の早さにこだわるなら、事故現場急行サービスに注目

事故直後の、現場で受けられるサービスを重視するなら、いくつかの自動車保険が提供している《事故現場急行サービス》を、ご検討ください。

これは、日本最大の警備保障会社セコム系列の、セコム損保が始めたサービスです。

警備保障会社の警備員が、事故現場に駆けつけて、事故の現場対応を代行・支援してくれます。

駆けつけるのが損保会社の社員ではなく、警備保障会社の警備員であることに、疑問を感じるかもしれません。

しかし、事故現場でいきなり示談交渉を始めるわけではありません。損保会社の社員が駆けつけても、専門知識を発揮できる場面はさほどありません。

それよりは、警備保障業務のために常に待機していて、すぐに駆けつけられる警備員のほうが、何かとありがたいです。

2024年現在、このサービスを提供しているのは、以下の損保会社です。なお、サービス名は損保会社によって異なります。

  • イーデザイン損保(セコム)
  • 共栄火災(ALSOK)
  • セコム損保(セコム)
  • SOMPOダイレクト(ALSOK)
  • ソニー損保(セコム)
  • 損保ジャパン(ALSOK)
  • 楽天損保(ALSOK)

( )内が、それぞれ提携している警備保障会社です。

この中で、共栄火災と損保ジャパンは希望者向けの特約として有料で提供されています。

他の4社は、加入者全員に、無料でこのサービスを提供しています(逆にいうと、全員の保険料にあらかじめ組み込まれています)。

損害サービス拠点数で、事故対応力を判断しにくい

自社で設置している損害サービスの拠点数なら、代理店型の損保会社が圧勝です。
ただし、ダイレクト(ネット通販)型の損保会社は、損害サービス拠点を自社で設けないで、その業務を外部企業に業務委託しています。

たとえば、東京海上グループには、東京海上日動調査サービス(株)という系列会社があります。東京海上グループのイーデザイン損保は、ここに業務委託しています。

そのおかげで、表向きの拠点数は少なくても、全国どこで起きた事故にも、対応できます。

ダイレクト(ネット通販)型の損保会社は、取り扱っている商品数が少ないうえに(個人向けの自動車保険、火災保険、傷害保険等)、保有する契約件数も小規模です。

また、契約条件を厳しくすることで(たとえば、過去に事故の多い人や、危険な職業・車両などを断る)、手間の掛かりそうな契約を減らしています。

それらのおかげで、損害調査などの業務を他の会社に委託しても、問題なく処理できるようです。

そういう事情があるので、ダイレクト(ネット通販)型損保に関して、自社の損害サービス拠点数の多い少ないで、それぞれの事故対応力を判断するのは難しいです。

事故対応サービスが、どのくらいの品質で提供されているのか、評判・口コミ情報でチェックしましょう。

自動車保険による、事故対応のサービス内容の違いを、上でご覧いただきました。

違いはありましたが、似ている部分も多いので、あれだけで選別するのは、難しいと思います。

そこで、パンフレット等で約束されているサービスが、どのくらい誠実に実施されているのか、利用者はどのくらい満足しているかを、評判・口コミ情報でチェックしましょう。

評判を知る上で頼りになるのが、中立的な調査機関による、規模の大きな口コミ情報です。事故対応の評判・口コミ・ランキングで詳しくご案内しています。

自動車保険の無料一括見積りサービスはいくつかありますが、以下の理由で、こちらのサービスをおすすめします。

  • 1回入力すれば、複数の気になる自動車保険の見積りが、一気に作成されます。
  • 参加している保険会社数が多く、おすすめしたい自動車保険がすべて含まれています。
  • 『保険見直し本舗』(全国300店舗以上)を展開する株式会社ウェブクルーによるサービスなので、安心感がある。
  • サイトの利用はもちろん無料。
  • サイトは使いやすく、各損害保険会社とのつながりはスムーズ。

自動車保険サイトの1社分の情報を入力すると、おもな自動車保険の保険料が図のように一覧表示されます。

その後、個々の自動車保険のホームページに移動して、さらに条件を変えて、試算をやり直すこともできます。

このサイトの利用者を対象としたアンケート調査によると、月々の保険料が平均して約25,000円安くなったそうです。

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