ロードサービスの充実をアピールする自動車保険の広告をよく見ます。ロードサービスとは、どんなサービスですか?

ロードサービスとは、自動車の故障、不具合のときに、駆けつけて解決してくれるサービスです。

車に乗る人にとって、走行中の故障などのトラブルは気になります。ロードサービスがあれば安心です。

ほとんどの自動車保険に共通するサービス内容

損保会社は、ロードサービスの内容でも競争しており、それぞれ違いがあります。

とは言え、どの損保会社でも用意しているサービスメニューはあります。

以下が、そうしたサービスです。

レッカー搬送 修理工場までの、車両の搬送。
無料で搬送する距離は、損保会社による格差あり。
事故現場での応急処置 以下のような応急対応をおこなう。大半が、30分以内の工賃を無料。
  • バッテリーが上がったときの修理。
  • 車のキーを車内に閉じ込めたときの、鍵開け。
  • タイヤがパンクしたときの、タイヤ交換。
  • タイヤが溝などに落輪したときの引き上げ。
  • 燃料が切れたときの補給。

提供されるサービスメニューは、どの自動車保険でも似ていますが、どこまでを無料でやってくれるかで、違いがあります。

下で、詳しく説明しています。

損保会社によって、異なるサービスメニュー

以下のサービスは、損保会社によっては、提供していません。

  • 遠方で走行不能になったときの、宿泊費用、交通費など
  • 修理後の、車両引き取り費用

自宅から遠いところで車が走行できなくなったとき、必要になりそうなサービスです。

車が使えなくなったために、宿泊したり、電車等の交通機関を使ったときに、その費用がロードサービスから出ます。

ただし、いったんは自己負担して、後日ロードサービスから費用相当額を受け取ります。

中には、車のトラブルによって発生したキャンセル料(ホテル、イベント、乗り物など)や、旅先でのペットホテル代まで補償してくれるものもあります。

このようなケースに対応しない自動車保険だと、利用可能な宿泊施設を電話で教えるだけ、というのが多いです。

また、遠方で車が故障し、現場近くの修理工場に持ち込んで修理したら、修理後の引き取り費用が発生します。

こうした費用をロードサービスで補償するかも、損保会社によって分かれています。

ロードサービスは、すべてではありませんが、ほとんどの自動車保険に、標準で組み込まれています。

ほとんどの自動車保険では、ロードサービスは、補償ではなくサービスという位置づけになっています。

そして、標準で組み込まれています。外したり、サービス内容を取捨選択することはできません。

走行中に車が故障することは、誰にでも起こりえます。ロードサービスを標準装備している自動車保険が多いのは、そのせいでしょう。

ロードサービスは、自動車保険に標準で組み込まれています。

ちなみに、ロードサービスを付け外しできる自動車保険では、ロードサービスは《サービス》ではなく《特約》という取り扱いになっています。

ロードサービスを"無料"と宣伝する損保会社がありますが、ロードサービスのコストは、保険料に含まれています。

ロードサービスを"無料"と宣伝する損保会社があります。

それは、ロードサービスを利用しても、そのたびに料金を請求されることはない、という意味です。

ロードサービスを運営するためのコストは、わたしたちが負担する保険料の中に、きっちりと含まれています。

ということは、ロードサービスをほとんど利用しない人にとって、ロードサービスが手厚い自動車保険に加入するとは、損をしている恐れがあります。

ロードサービスの充実した自動車保険=おトクな自動車保険、ではありません。

ロードサービスの仕組みは、どの自動車保険も同じように見えて、細かな違いがあるようです。気をつける点は?

自動車保険によって、ロードサービスの内容は微妙に違っています。ただし、保険料への影響は低めです。

上で箇条書きしたように、ロードサービスにはいろいろあります。そして、それぞれに損保会社による違いがあります。細かいところに目を向けるとキリが無くなってしまいます。

ここでは、自動車保険選びに影響しそうなポイントに絞って、ご案内します。

ロードサービスの範囲を選べる自動車保険はあるけれど・・・

駆けつけ修理やレーカー移動は、どの自動車保険でも、ロードサービスの一環として対応してくれます。
ただし、宿泊費用、帰宅の交通費、修理された車両の搬送費用などの取り扱いは、損保会社によって異なっています。

たとえば、チューリッヒ保険の『スーパー自動車保険』は、宿泊費用・帰宅の交通費・修理された車両の搬送費用なども、ロードサービスの中に含まれています。

一方、東京海上日動では、宿泊費用とか、帰宅費用とか、修理された車両の搬送費用などは、ロードサービスの範囲外です。
これらの費用も自動車保険でカバーしたければ、別の特約を付けなければなりません(その分保険料がかかります)。

後者の方が、ロードサービスの範囲を指定できます。宿泊費用や帰宅費用の補償を必要としない人には、この方が好ましく見えるかもしれません。

ただし、実際に見積もりしてみると、ロードサービスの薄い商品の方が、保険料が安くなるとは限りません。ロードサービスの費用は、保険料のごく一部でしかないからです。

ロードサービスにこだわらない方は、その内容をあれこれ考えるより、保険料を見積もった方が、結論を出しやすいです。

ロードサービスを特約としている自動車保険

数は少ないですが、ロードサービスを特約としている自動車保険もあります。これらの商品では、ロードサービスが不要なら、完全に取り外すことができます。

数は少ないが、ロードサービスを特約としている自動車保険もあります。

わたしの知る範囲で、ロードサービスを特約としている自動車保険は、以下です。

  • チューリッヒ保険(ネット専用自動車保険)
  • SOMPOダイレクト(おとなの自動車保険)

これらの自動車保険については、『ロードサービスの特約』で、詳しく説明しています。

長距離ドライブでのトラブルのときに、頼りになるロードサービスが欲しいです。おすすめの自動車保険はありますか?

長距離ドライブをする人は、ロードサービスの2つの点に注目してください。

長距離ドライブをする人にとって、ロードサービスは、自動車保険を選ぶときの、注目ポイントの一つです。

特に、次の点に注目して、各社の自動車保険を比較してください。

  • レッカー搬送で無料になる距離
  • 遠方で走行できなくなったときの、宿泊費用や代替交通費の取り扱い

この2つは、自動車保険によって、サービス内容に違いがあります。

ロードサービスのメニューはたくさんあるので、商品を比較するときに、全項目をくまなくチェックすると、かえって混乱しそうです。

そんなときは、上の2点に的を絞って比較検討してください。

トラブルで走行できなくなったときに、現場に駆けつけて対応してくれるサービスでは、無料で対応してくれる範囲に差があります。

トラブルで走行できなくなったときに、現場に駆けつけて対応してくれるサービスは、どの自動車保険もやっています。ただし、無料で対応してくれる範囲に差はあります。
有料でもいいから現場に駆けつけて対応してほしい、ということなら、どの自動車保険でも大丈夫です。

原則として無料で対応してほしい(=無料の範囲が広い)、ということなら、以下の自動車保険が候補になります。

  • アクサダイレクト
  • イーデザイン損保
  • チューリッヒ保険

ちなみに、いずれもダイレクト(ネット通販)型自動車保険です。

車が走行できなくなったときの、代替交通費宿泊費用もチェックしておきたいです。

走れなくなった車をレッカーで搬送した場合、車に乗っていた人の代替交通費や宿泊費用が、別に発生します。

上で説明したように、これらの費用もロードサービスの組み込まれている自動車保険と、ロードサービスとは別に、特約として提供されている自動車保険があります。

いずれにしても、大多数の自動車保険は、代替交通費や宿泊費用をカバーしています。
知る限りで例外なのは、イーデザイン損保三井ダイレクト損保の2つです。

なお、自動車保険が、帰宅費用や宿泊費用まで面倒を見てくれると言っても、制限や条件が設けられています。
下の表にまとめました。

制限のタイプ 該当する会社
金額の制限 帰宅1人2万円
宿泊1人1万円
  • セコム損保
  • SOMPOダイレクト
  • 損保ジャパン
  • 三井住友海上
帰宅1人2万円
宿泊1人1万5千円
  • あいおいニッセイ同和
  • SBI損保
帰宅1人5万円
宿泊1人1万円
東京海上日動
日数やグレードによる制限(ビジネスクラス料金等)
  • アクサダイレクト
  • ソニー損保
  • チューリッヒ保険

「金額による制限」と「日数やグレードによる制限」とで、どちらがオトクかは、ケースバイケースです。実費がいくらだったかで結論は変わります。

自動車事故で走行できなくなったとき、事故の対応もロードサービスでやってもらえますか?

ロードサービスは、あくまでも車両のトラブル対応だけです。

自動車事故で車が走行できなくなったら、ロードサービスに修理を依頼する前に、事故対応をしなければなりません。

事故のときは、車の修理の前にやることがある

たとえば、自動車保険を使って損害賠償するつもりなら、各都道府県の交通安全運転センターから《交通事故証明書》を発行してもらう必要があります。

そのためには、事故現場から警察に連絡して、現場検証をしてもらわなければなりません。

ロードサービスに連絡して修理してもらうとしても、警察の現場検証後になります。

ロードサービスは、車両のトラブル対応

事故対応は、ロードサービスのサービスメニューにありません。

また、ロードサービスを依頼したときに、駆けつけて現場対応してくれるのは、車の整備・修理の専門家です。

仕事柄、事故対応に通じている可能性は高いですが、事故対応の訓練を受けているわけではありません。

事故現場でやることがわからないときは、損保会社の事故受付窓口に電話して、指示をしてもらいましょう。

いくつかの自動車保険には、事故対応を代行・支援するサービスがあります。

損保会社に事故の連絡をすると、現場に急行して、事故現場でやるべきことを助言・代行してくれる自動車保険があります。

次の5つの自動車保険です。

  • イーデザイン損保(セコム)
  • セコム損保(セコム)
  • SOMPOダイレクト(ALSOK)
  • ソニー損保(セコム)
  • 損保ジャパン(ALSOK)

いずれも、現場に駆けつけるのは、損保会社の社員ではなく、上の( )内の警備保障会社の警備員です。

警備員なので、自動車保険の専門家ではありません。

残念に思われるかもしれませんが、示談交渉は相手のあることなので、事故現場で始められるわけではありません。警備員でも、十分に助けになります。

以下のようなことをやってくれます。

  • 救急車の手配
  • 警察への連絡
  • レッカーやタクシーの手配
  • こちらと事故の相手から、事故状況等の情報収集
  • 事故現場や車両の写真撮影
  • 収集した情報や画像を、損保会社に報告

というように、事故現場でやるべきことのほとんどを代行してくれます。ありがたいです。

ただし、*印の項目と、二次被害の防止は、警備員の到着を待たず、こちらで手早く済ませたいです。

ちなみに、上の5社のうち、損保ジャパン以外の4社は、すべての加入者が無料(追加料金無し)で、このサービスを受けられます。

損保ジャパンは、「DRIVING!」(ドライブレコーダーによる事故発生時の通知等に関する特約)を付加すると、このサービスを受けることができます(月々850円)。

自動車保険の無料一括見積りサービスはいくつかありますが、以下の理由で、こちらのサービスをおすすめします。

  • 1回入力すれば、複数の気になる自動車保険の見積りが、一気に作成されます。
  • 参加している保険会社数が多く、おすすめしたい自動車保険がすべて含まれています。
  • 『保険見直し本舗』(全国300店舗以上)を展開する株式会社ウェブクルーによるサービスなので、安心感がある。
  • サイトの利用はもちろん無料。
  • サイトは使いやすく、各損害保険会社とのつながりはスムーズ。

自動車保険サイトの1社分の情報を入力すると、おもな自動車保険の保険料が図のように一覧表示されます。

その後、個々の自動車保険のホームページに移動して、さらに条件を変えて、試算をやり直すこともできます。

このサイトの利用者を対象としたアンケート調査によると、月々の保険料が平均して約25,000円安くなったそうです。

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