特約やサービスがたくさんありますが、付けなければならないものとか、できれば付けたいものはどれですか?

特約は、もともとは希望者向けでしたが、現在では、自動的に付加されるものと、任意で付加できるものに分かれています。

自動車保険の補償は、《保険》と《特約》に分かれています。《保険》が基本部分で、《特約》はそれを補強する部分です。

ほとんどの自動車保険は、図のような仕組みになっています。

自動車保険の特約

4つ《保険》には、それぞれ異なる目的があります。そして、それぞれの目的のために必須の補償が組み込まれています。

一方、その保険を選ぶ人すべてに必要ではないけれど、一部の人のニーズがある補償が、特約として提供されています。

つまり、特約を付けるかどうかは、加入者が判断します。

これが原則ですが、実態はそうはなっていません。

ほとんどの自動車保険で、自動的に組み込まれる特約がある

現在販売されている自動車保険を見渡すと、そのほとんどに、自動的に組み込まれている特約が複数あります。

つまり、《特約》には、次の2つのタイプがあります。

  • 自動的に組み込まれている特約
  • 加入者が、付けるかを決められる特約

しかも、ややこしいことに、以前は特約だったものを自動的に組み込んで、「~特約」という名称から「~保険」と名称に変更している損害保険会社もあります。ある意味まじめですが・・・

たとえば、ソニー損保は対物超過修理費用特約を、イーデザイン損保は弁護士費用特約を、それぞれ基本補償に組み込んでいます。

そして、それぞれ対物超過修理費用保険、弁護士費用保険という名称にしています。

損害保険会社による考え方の違いとか、特色ある商品を開発するための工夫が、こうした事態を招いたようです。

不要な特約が自動的にセットされている自動車保険に、注意してください!

いずれにしても、誰にでも必要な補償は、自動的に組み込まれている

ここまで説明したように、自動車保険の特約は、ごちゃごちゃしています。

しかし、難しく感じることはありません。というのは、《保険》という形であれ《特約》という形であれ、誰にとっても必要であろう補償は、もとから組み込まれています。

そこを気にする必要はありません

任意の特約をザッと見まわして、必要なものがあれば付加する、という姿勢で問題ありません。

どうするか迷うような特約があったら、付けなくても、大損する危険は低いです。

サービスは、自動車保険にあらかじめ組み込まれています。中身は幅広いです。

自動車保険で提供されるサービスのうち、補償(損害を埋め合わせる)以外のものが、サービスと呼ばれています。

だいたいのサービスは、加入者全員に無料(=利用のたびに費用が発生することはない)で提供されます。

自動車保険のサービス

サービスには、無くても良いようなオマケ的なものから、自動車保険に不可欠なものまで、幅広いです。

自動車保険に欠かせないサービスには、365日24時間の事故受付示談交渉ロードサービスなどがあります。

どれも、自動車保険そのものの品質にかかわる、重要なサービスです。

他方、スマホアプリが提供されるとか、お悩み相談ができるとか、レジャー施設を優待価格で利用できるとか、〈特典〉のようなものもあります。

注意が必要だとしたら、ロードサービスです。

ある自動車保険ではロードサービスの一サービスして提供されていることが、別の自動車保険では、車両保険の特約として有償になっている例が、いくつかあります。

たとえば、車の修理が終わったときに、引き取りに行く費用とか。

自動車保険の差が出るのは、特約やサービスの品揃えとか品質です。

自動車保険は、公共性の高い保険商品です。

自賠責保険(強制保険)はもちろんですが、任意加入の自動車保険も公共性が高いです。

任意保険は、相手の損害が大きくなったときや、こちらに損害が出たときに、自賠責保険の足りないところを補う役割を担っています。

そのため、自動車保険の基本の仕組みは、損保会社が異なっても、ほとんど同じです。

他社の自動車保険に切り換えるときに、現在の等級をそのまま引き継ぐことができます。こんなことが可能なのは、基本の仕組みを共有できているからです。

つまり、基本の仕組み・補償では、損保会社が独自の工夫をすることは難しいです。そのかわりに、特約やサービスにおいて、それぞれの特徴や個性を発揮しています。

特に注目したいのが、すべての加入者の適用される特約とサービスです。

他社が希望者向けの特約としている補償を、加入者全員に適用するということは、その補償を重視している、ということです。

自動セットされる特約は、まぎらわしい存在ですが、そこにその損保会社の姿勢や考え方が表れている、とも考えられます。

一方のサービスは、もとから加入者全員を対象にしているので、やはり損保会社の特徴が表れやすいです。

ここ最近では、大手代理店型を中心に、ドライブレコーダー等を用いた新しいサービスが登場しています。

また、ロードサービスは、一見どこも同じに見えますが、細かく見ると、けっこう差があります。特に長距離を走る人は、チェックしておきたいです。

事故対応はどの損保会社もやっていますが、大事なのは品質です。

損保会社のパンフレットやウェブサイトを見てもわからないので(どこも書いてあることは同じなので)、口コミ情報なども参考にしたいです。

各社の自動車保険に共通する、おもだった特約をご案内します。

特約のうち、複数の自動車保険で目にするものを、ご案内します。

多くの損保会社に共通していて、自動車保険選びを左右するかもしれないサービスを、ご案内します。

サービスのうち、ほとんどの自動車保険で目にするものを、ご案内します。

  • 事故対応
    事故が起きたときの、受付、対応、サポートについて、各社のサービスを紹介します。
  • ロードサービス
    緊急時に駆けつけてくれるサービス。
  • 総合的なサービス
    ロードサービス、事故対応以外の、各社の特色あるサービスを紹介します。

特約やサービスを検討するうえで、心がけた方が良いことはありますか?

基本補償が盛りだくさんになっていたり、外せない特約が多い自動車保険には、注意してください。

特約は「ぜひ欲しい」ものだけを付けましょう。

誰にとっても必要な補償を基本補償(外せない必須の補償)にして、それ以外の補償は特約として、加入者が自由に選べるようにする、というのが明朗な自動車保険です。

多くの自動車保険では特約になっている補償が、特定の自動車保険では基本補償になっていたり、特約と言いつつ取り外せない仕組みになっていたら要注意です。

そういう補償が1つ2つなら、消費者に対する損保会社からの提案だと、好意的に見ることもできます。
しかし、外せない補償や特約がたくさんある自動車保険は、金儲け優先の商品かもしれません。

そういうことをやる損保会社は、補償が充実している自動車保険として宣伝しますが、使われる可能性の低い特約を売りつけようとしているだけかもしれません。

サービスが多いからおトクとは限りません。サービスの料金は、あらかじめ保険料に含まれています。

サービスの厚い自動車保険が、良い保険とは限りません。

自動車保険のサービスは、原則として無料です。

ここで言う無料は、サービスを利用しても、そのつど利用料は発生しない、という意味です。

もちろん、損保会社がボランティアでやっているはずはありません。サービスを運営するための費用は、わたしたちが支払う保険料の中に入っています。

ありがたみを感じにくかったり、使いそうもないサービスは、お金のムダづかいです。

一般的な傾向として、保険料の安い自動車保険は、保険の仕組みがシンプルで、特約やサービスの数も少ないです。
その方が、担当者・部署の数や書類の種類を少なくできるし、業務システムもシンプルな仕組みにできます。そのおかげで、値段を安く設定できます。

よって、他社よりサービスのメニューが豊富というだけで、おトクな自動車保険と判断するのは危険です。

保険料を見積もりして、確認しましょう。

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